【書評】『レイクサイド・ストーリー』著者:サラ・パレツキー 〜快活で強引な女探偵、V・I・ウォーショースキーに憧れます〜

4. 趣味

このサラ・パレツキーの小説の表紙の絵柄は、いかにも1980年代後半を彷彿とさせる。そして、主人公が美人の女探偵となれば、ぜひとも読んでみたくなるのが男心であろう。この「V・I・ウォーショースキー」シリーズは現在、第21作まで出版されているが、この「レイクサイド・ストーリー」は、シリーズ第2作目であり、初期の頃の作品で、初版は1986年である。私が十代のとき、第3作まで読んだと記憶していたので、今回は再読だと思い読んだのだが、まったく内容が思い出せなかった。もしかしたら、この「レイクサイド・ストーリー」の表紙は覚えているが、購入しようと思っていて未購入だったのかもしれない。ただ、3作目の「センチメンタル・シカゴ」は間違いなく読んでいるはずなのだが。

翻訳はよろしくない

読んでいると、少々おかしな文にぶつかり、読みづらいと感じました。翻訳がやや直訳的なのか、表現のおかしい部分が多々あり、読んでいて??となりました。だからといって意味がわからないとまではいきませんでしたが。それと、もう少し幅広い語彙を使ってほしかったです。たとえば、「わたしは癇癪を起こし」や「わたしはイライラしながら」という文が数回使われてますが、もっと適切な意訳で書いてほしかったです。せっかく、サスペンス・アクションで主人公の「ヴィク」が格好よく活躍するのに、単調な翻訳のために台無しになっているように思えました。

快活すぎる主人公

この作品の旨味は、やはり、主人公である女探偵「ヴィク」の快活な行動力だと思います。これが、男探偵ではだめで、若くて(34歳?)美人の女探偵だからいいのです(独断w)。とにかく、ヴィクは次から次へと事件について考察し推理して、即行動に移ります。それは、交通事故を起こして病院に入院しているときも変わりません。今すべきことが思いついたら、すぐに場所を移動して捜査します。正直、この快活なる行動力は魅力的ではありますが、読んでいて少々疲れました。もう少しハード・ボイルドらしく構えて行動してもいいのではと、妄想してしまいます。

強引すぎる調査

そして、容疑者周辺に対するヴィクの調査方法はかなり強引です。偽名を使って、どうどうと重要人物に謁見して聞き込みをします。大胆なのですが単純な捜査方法です(笑)。でも、いかなる手段を講じても自分が欲しい情報を取得するという強引な性格だからこそ、我らがヴィク探偵なのです。この感覚が、この作品の好き嫌いを分けるかもしれません。私は行動力があって強引な捜査活動をするヴィクのファンです。

クライマックスが弱い

クライマックスでは、容疑者と船上で対決します。なんと、ヴィクは船に火を付け船を炎上させて、自身は海に飛び込み脱出して、容疑者と操縦士もろとも焼き殺すというものすごい解決方法で終幕する。これがクライマックスのシーンとなると、単純すぎて弱い印象を受けますが、これこそが「女探偵ヴィク」の生き様であるという著者の思いなのかもしれません。そんな深い思いはなく、単にアイデア不足だった可能性もありますが(笑)。

なんか不評ばかり書いてしまいましたが、若き日の私は「V・I・ウォーショースキー」シリーズがたしかに好きだったので、次作の「センチメンタル・シカゴ」も必ず読みます。

かしこ

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