さよなら、フアン・ソト

2. 社会

 FA権を取得したフアン・ソト選手の移籍先が決まった。しかし、そこはニューヨーク・ヤンキースではなかった。同じニューヨークではあるが、ニューヨーク・メッツだ。メッツ、ボストン、ドジャース、ブルージェイズ、そしてヤンキースがソトにオファーしていたようだが、彼が選んだのはメッツだった。
 15年契約、総額7億6500万ドルで合意したようだ。契約年数も契約金も過去最高ということで驚きだ。大谷翔平の10年契約総額7億ドルにも驚かされたが、ソトの契約はそれすら超えてきたのだから凄い。それにしても、ここ数年のMLBの契約金の高騰ぶりには驚愕する。🫨
 ヤンキースが提示した条件も、かなりの破格であったらしいが、今一歩メッツの条件に届かなかったみたいだ。今年1年間のヤンキースでのソトのプレーを見ている限り、ジャッジとも仲が良さそうだったし、チームに馴染んでいたように伺えたので、ヤンキース自体は気に入っていたと思うのだが、やはり、FA権を行使して一番に重視することはお金なんだろうか……🧐
 契約金だけではなく、その他諸々のオプションも含めて、一番良い条件を出してくれた球団は、一番高い評価をしてくれたということだから、その球団と契約したいという気持ちがあるのだろう。いずれにしても、MLBの選手はかなりドライだと感じる。

ソトがいてくれたから

 今年、ニューヨーク・ヤンキースが15年ぶりにワールドシリーズに進出できたのは、間違いなく、フアン・ソトの働きがあってだ。もちろん、ジャッジの活躍や、先発投手陣の活躍もあったことを忘れてはならないが、キーパーソンはソトであったと思う。ヤンキース打線に、ソトが打順2番に収まっていたからこそのチーム打撃だった。外野手としてもまずまずの守備力があった。もし、今年ヤンキースにソトが在籍していなかったら、ポストシーズンには進出できたとしても、15年ぶりの快挙は達成できなかったと思う。🤨

 ソトが、FAになるのは初めからわかっていたことだし、その結果、よそのチームに行くのも十分にあり得たことだったのに、いざ、こうして本当にいなくなってしまった現実を見ると、とても悲しい。🥺 
そう、まるでいい夢を見ていて目が覚めた時に、「なんだ夢だったのか……」と落ち込むような気持ちに近い。それくらい、今年のヤンキースの試合は見ていて楽しかったし、ワールドシリーズ進出を大いに期待できて興奮もした。しかし、夢を見続けることは叶わない、いつかは必ず醒めてしまう。そして、現実に戻るのだ。変哲のない現実に。

 しかし、ヤンキースのコアファンを自称する私からすると、ソトは取らなくて良かったと思う。なぜなら、契約内容が異常だからだ。まず、総額7億ドル越えは異常だ。年平均5100万ドルになるわけだが、こんなに一人の選手に給料を支払ったら、他の補強がやりにくくなる。ヤンキースはすでにジャッジに年俸4000万ドル支払っているし、コールやスタントン、ロドンにもかなりの年俸を支払っている。こんな状態で5000万ドルプレーヤーなど加入させたら、身動きができなくなってしまうと思う。
 さらには、異常に長い契約年数だ。ソトはまだ若くて26歳だが、10年後には30代半ばを過ぎる。そして契約が終了する頃には40歳だ。どんなに素晴らしい選手でも歳には勝てない。それは、ジーターであってもA・ロッドであってもそうだった。ソトは素晴らしい身体能力を持っているが、必ず衰える年齢が来る。それは意外に早いかもしれないという恐ろしい結果になるかもしれない。大型契約を結ぶ選手の晩年の衰えは、計算済みだという考え方もあるが、これはかなりのギャンブルだ。長期契約といっても、せいぜい10年を限度とすべきであると思う。

 以上のことから、ソトと契約ができなくてよかったと思う。もしも、メッツに競り勝ってしまったとしたら、それは悪夢になっていただろう。
 フアン・ソトは、2024年には間違いなくニューヨーク・ヤンキースに所属していた。そして、大活躍をしてチームを引っ張り、ワールドシリーズ進出させた。これは、現実の記憶なのだ。1年間だけだったけどピンストライプに袖を通してプレーしていたのだ。

彼の活躍を忘れない。

かしこ

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