Z世代たちには、今の自分への投資をしてほしい。

2. 社会

 今の日本は金融投資ブームです。
特に、Z世代(20〜30代)では、かなりの人が投資をしています。金融投資することはいいことだと思いますが、自己成長のためにも投資してもいいのではないかという思いがあります。今回は、これについて語りたいと思います。

 日本政府は岸田政権の時に「貯蓄から投資へ」を国民運動として捉え、制度設計(NISAなど)+教育支援(J-FLEC)+戦略的資金投入を三本柱に据えて投資環境の整備を進めてきました。その結果、若年層を含む幅広い世代で投資習慣の定着が見られ、口座数・投資額ともに急速に増加しました。2024年には「新NISA」も導入され、さらに資産運用の有効性を国民に推し進めたと思います。
 また、SNS・YouTube等の影響も手伝い、Z世代にも投資ブームが広がる要因となり、新NISA開設率は若年層ほど高く、特に20代~30代では76.9%と突出して高い傾向ですから驚きです。

 私が20代だった頃は、投資という概念はなく、定期預金でした。同年代を見渡しても投資よりも預金という風潮だったと思いますが、矢張り、時代の違いですね。今のZ世代が自分の老後のことを考えて時に、年金がいくら貰えるのか、そもそも年金自体が存続できているかと訝しむはずです。預金も大切ですが、今の金利ではほとんど期待できません。ならば、貯蓄しながら運用して利益を増やすという、NISA制度が持て囃されるのは当然の結果です。

 本来、投資とは、企業が成長するために必要な資金(資本)を株主として提供する行為です。自分の投資したお金で設備投資や雇用を促進してもらって、企業利益を増やしてもらい、そして、その利益から少し還元してもらうというシステムです。もちろん、企業がうまく利益を増やせるという保証はないので、必ずリスクはついて回ります。
 大抵の方の投資に対する期待は、企業を応援するための投資というよりは、自分の利益確保のための投資であると思います。そう、あくまでも自分への投資なのです。

 しかし、NISAなどの投資は、将来の自分への投資と言い換えられます。10年以上の長いスパンで考えなければなりませんから、今の自分への投資とは言えないと思います。
 金融投資を否定するつもりはありません。ただ、私は、Z世代、若い世代に対して、今の自分への投資もすべきであると言いたいのです。たとえば、旅行するとたくさんの学びがあります。特に海外旅行に1週間行くと、1ヶ月分くらいの何かが自分の中に生まれ蓄積されるような感じがします。ちょっとお高めのフランス料理や焼肉店であっても、ただ単に美味しかったという感想だけでなく、チェーン店では味わえない何かを得ます。女性であれば、エステサロンに通い体を磨いて、ネイルサロンでおしゃれを楽しんで、ブランド品を着こなせば、それでしか得られない恍惚感に包まれることでしょう。これらすべて、今の自分への投資です。

 私のような50代であっても、自分への投資を常にしています。健康について書かれた本を読むことで得たことをアウトプットして身体を自分なりに鍛えています。そして、大好きなガジェット類を年間で20〜30万円は注ぎ込んで、最先端のテクノロジーを堪能しています。これらは、今の私への投資です。最近、あまり先のことを憂いても、しょうがないような気がしてきました。それよりも、今を生きる方が楽しいです。
 これからのZ世代の方たちにも、今をもっと楽しんで学び、そして自己成長の糧にしてほしいです。それと最後に、金融投資はお金に余裕がある人がするものです。生活費を削ってまで投資に回すのは、愚の骨頂だと思います。

かしこ

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