『小泉八雲集』の感想文と紙の本について

4. 趣味

 夏ですから怪談も読みたい🤩ということで、『小泉八雲集』小泉八雲/著、上田和夫/訳の感想を語ります。それと、久しぶりに紙の本を読んだので、これについても語ります。

 小泉八雲といえば、元祖怪談話といったかんじですが、ただ単にオドロオドロした怖い話だけではなくて、こころにキュッとくる哀しみのある話も多々ありました。これは、怪談話の語り手の稲川淳二さんにも通ずるところがあり、怪談はただ怖いだけではなく、その中身は人間模様もあるのです。今回読んだ中でいちばん気に入った話は、「青柳のはなし」です。読み終わったあとに哀愁を感じました。ラストの友忠が娘の実家に訪れると、そこには三つの切り株があったという下りは、なんとも言えない切なさがありました😭そして、この話は人間が木を伐採するという自然破壊もテーマになっています。ああ深い、小泉さん。

 そして、定番の「ろくろ首」、「耳なし芳一」、「雪女」、そして「破られた約束」は見事と言って良いほど怖かったです😱これらは、よく知っている怪談のつもりでしたが、改めて読んでみると発見がありました。それぞれの話で、いちばん怖い部分(クライマックス)の前後にもストーリーがあったことです。これは案外知らない方も少なくないのではないかと思います。とくに「ろくろ首」は、わたしの知ってる話と少し違っていました。この中で、いちばん怖かったのは「破られた約束」でした。鈴の音がチリーンチリーンはやばかったです😱そして、「耳なし芳一」は名作だと改めて感じました。

 この本は、小泉八雲の短編集なのですが、前半はいいとして、後半からは八雲の論文やエッセイ的な話がありますが、正直、ここはつまらなかったです。八雲が好きな人なら楽しめるのかもしれませんが、私には退屈でした。それと、この本は小泉八雲の作品をすべて載せているのでしょうか?なんとなく、これですべてとは思えません。まあ、タイトルも『小泉八雲集』であり、全集とは書いてないですから、そうであっても仕方ないですね。

 ともかく、夏に小泉八雲を読めたのは良かったと思います。ぜひ、読者の方も八雲ワールドに浸ってください。

もう、紙の本には戻れないかも

 電子書籍派であり、ずっと電子書籍を読み続けていますが、それでも書店は大好きです。整然と棚にしまわれた本たち、そして平積みされた本たちを眺めているだけで幸せになれます。そして、やはり、書店ならではのあの紙の「匂い」がとても好き❤️なんか落ち着くし、本が読みたくなる。でも、なぜかトイレに行きたくなるんですよね😆今回は、どうしても紙の本を読みたくなったので、この『小泉八雲集』を購入して読んでみたのですが、意外にも、紙の本での読書が素晴らしいとは感じませんでした。たしかに、物理的に紙を捲って読む感覚は、電子書籍にはない、紙の本ならではの読書体験ですが、それが心地よいとは感じませんでした。

 まず、持ち運びがしにくいです。この本は文庫本なのでサイズは小さいのですが、そこそこ厚みがあり、わたしがいつも持ち運んでいる肩掛けバッグだと、嵩張ってしまいバッグがパンパンになってしまって。持ち出さなければいいのではないかと思われるかもしれませんが、本は持ち歩いてナンボです。家の中だけで読むなんてもったいない。そして、本を、両手で見開きで持っていると、読み始めのうちは左手の方が厚くなって、終わり頃には逆に右手の方が厚くなって、持ちづらくてページも捲りにくい。そして、読んでいると本のカバーがズレてくるのが鬱陶しい。しおりと挟むのもなんだか煩わしい。電子書籍では気軽に引けるマーカーも紙だと抵抗があるし、わからない漢字もさっと調べられないから無視してしまう。などなど、意外にも意外、紙の本での読書はマイナス要因を感じてしまい、「これなら電子書籍のほうが快適」と思ってしまった。

 紙の本がダメということではなくて、わたしはすっかり電子書籍での読書が身体に染み付いてしまったということなのだと思います。とくに、持ち運びの面では絶対に電子書籍のほうが利便性があります。ああ、それでも、書棚にしまって本を眺める喜びは、物理的な紙の本でしか味わえません。タブレットに写っているのは、所詮はデジタルデータですから。

それでも、ふとした時に、また紙の本が恋しくなるのだろうな。その時は、また買おう。

かしこ

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