人間は素直が一番です 〜馬鹿の稽古〜

1. 解脱の教え

 わたしは解脱会という素晴らしい宗教を学んでいます。わたしが生まれる前から母親が学んでいたので、物心がついた時には、すでに解脱の教えがありました。ですので、入会するしないといった選択はなく、解脱行事を日常で行うことが当たり前になっていました。現代では、宗教二世問題が話題になったりしてますが、わたしは両親が解脱会会員であってほんとうによかったと思います。それは、自分なりに教えを学んできて、解脱の教えは素晴らしいと心から思えるからです。時には、煩わしさや、めんどくささがあって、やや嫌気がさした時期もありましたが、それでも、解脱会は、わたしの中でかけがえのない教えであり、今日まで学ばさせていただいてます。しかし、解脱会に入会しながらも、残念ながら退会してしまった会員さんが何人も見てきました。なぜ、辞めてしまうのか?今回は、これについて語りたいと思います。

 辞めてしまった会員さんについては、わたしの所属している川崎宮崎台支部や以前に所属していた支部の会員さんであり、その他の支部の事情は全く知らないので、わたしが見てきた範囲での話になります。まず、共通して言えるのが、素直に話を聞けなかったということが挙げられます。素直になれないから、理屈ばかり捏ねて、言われたことを信じて実行することができないのです。これは、実にもったいなく、残念なことです。

 わたしは、生まれた時から解脱会に触れていたので、解脱の教えに対した疑う心は全くないのですが、普通の方はそうはいきません。解脱の法縁に触れて、話を聞いてみて、これは良い宗教だと感じて入会される方がほとんどだと思いますが、学んでいく中で、様々な指導を受けた時に「そうは言うけど」、「本当かな」、「信じられないな」等の疑いの心が湧くと思います。これは、当然のことであり、決して間違った考え方ではありません。むしろ、聞いた話を全て鵜呑みにする方の方が稀でしょう。問題は、疑いながらでも、言われたことを素直に聞き入れて、実行するかしないかです。

 たとえば、会員のAさんは、支部長先生からある指導をいただいた時に、腑に落ちない点があり、少し不満な気持ちで帰ったとします。しかし、まずは言われたことを取り敢えずやってみるかと思い、実行に移したとします。すると、実行するうちに、不思議と自分の中で反省の心が生まれて、支部長さんの言われたことは確かなことであったと気づきます。これが、解脱の学びです。

 会員のBさんも、支部長先生から同じように指導をいただくのですが、Aさんと同じように納得できずに帰ったとします。そして、言われたことを何もせずにして無にしたとします。この結果は、当然のことながら何も変わりません。相変わらずBさんは自己成長のないままです。そして、何も良いことないなら辞めてしまおうとなり、解脱の教えから離れていきます。

 このような会員さんを見てきましたが、Aさんのパターンでは、苦労をしながらでも、明るくてとても良い人生を送っています。逆にBさんのパターンでは、非常に残念な人生になってしまっているのを何人も見ています。この事から、疑いながらでも、言われたことを信じて、解脱の教えを信じて、素直に学ぶことが一番大切なことだと、わたしはしみじみと思います。

 解脱金剛さまは、「人間は一生、馬鹿と貧乏と稽古」という勉強を残されてますが、この言葉の中の「馬鹿の稽古」は、人生を生きて行く上で大切なことであり、そして、難しいことであると思います。人から指導してもらっても、「はい、わかりました」が、なかなか言えないのが人間です。人それぞれに、いろんな理屈や、今まで生きてきて培ってきた知識やプライドもあるでしょうが、まずは、馬鹿になって、素直になって、言われたことを実行することが大事だと思うのです。

 退会してしまった会員さんも、素直になって、もう一度、解脱会に帰ってきてもらいたいです。そして、また一緒に学びたいです。

かしこ

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