読書が趣味な私ですが、読み終わった本の内容をしっかりと覚えているかというと、覚えていない。どんどん読書するのは良いのだが、内容を覚えていないのでは、ただの「暇つぶし」でしかない。多読を誇っても、単に暇な時間に活字を追っているだけの作業といえる。それだったら、映画を見たり、ゲームをする方が、より楽しい時間を過ごせるような気がする。だが、読書は素晴らしいものだ。あらゆる知識を得られるし、擬似体験もできるのは、読書以外にないと思う。では、どうしたら読んだ本の内容を記憶に定着させて自分のものにできるか?私なりに回答が出たので語ってみたいと思う。
一度読んだ本の内容を覚える
活字を追って読んでいるだけでは無理だ。いや、もしかしたら記憶能力が優れている方ならそれでいいのかもしれない。だが、私のような凡人では絶対に無理だし、大抵の方はそうなのだろうと思う。ただ、とても心に響いたり深く感動したような本の内容は、少しは覚えているものだ。それでも、時間が経つとぼんやりしてしまう。
逆に、あまり面白くなかった本などは、1ヶ月もしたらほとんど忘れている。読んで面白くなかったのだから、これらの本は忘れてしまってもいいのかもしれない。別に無理に脳に記憶することもないだろう。
問題は、面白かった本や心に響いた新書類の本だ。これらは忘れたくない。もちろん、全体を覚えておく必要はないが、小説ならストーリーの概要、新書なら得られた知識などは、できればずっと脳に刻んでおきたいものだ。
読書とは「読んで書くもの」
では、どうしたら一度読んだ本を忘れないか?それは、「読んで書くこと」が必要だと思う。そもそも読書とは「読んで書く」と書くのだから。そこで、本を読みながら、気になったところや心に響いた言葉などについて、その都度、紙やタブレットに書くというのはどうだろうか。この方法なら、確かに活字を追っているよりは脳に記憶が定着しそうではある。しかし、これでは読書体験としては正しくないと感じる。本を読みながら、いちいち紙等に書きながらの読書は、読書自体を楽しめないし、それに煩わしい。なので、この方法では記憶には多少残るだろうが、決して良い方法とは思えない。
書くのは読破してからの作業
ただ、書いて覚えることは正しい方法だと思う。要は、いつ書くかだ。それは読破してからまとめて書けばいいのだ。では、どう書けばいいのか?それは、まず、読んでいてポイントだと思った箇所にアンダーラインを引くことだ。さすがに、読書中にアンダーラインを引くだけなら読書の妨げにはならないし、煩わしくもないだろう。
そして、読後にアンダーラインを引いた箇所について、自分の考えや思いを書けば良い。そして、最後に本の全容の感想文を書くのだ。こうすることによって、ただ読み終えて終わりにするよりは、脳に記憶が刻まれるはずだ。なお、私は殆どの本をKindleで読んでいるので、アンダーラインを気楽に引くことができる。間違って引いた場合でも取り消しができるからだ。
さらには、Kindleの場合は、「メモとハイライト」というWebページがあり、このページには、Kindleで自分が読んでアンダーラインを引いた本を閲覧することができる(漫画は不可。活字本のみ)。そして、アンダーラインを引いたハイライトのオプションから「メモを編集する」をクリックすると、自由にメモを書き込めて、その後はハイライトと同時に自分のメモも閲覧できるのだ。余計なアプリを使う必要がないので、Kindleユーザーなら使わないともったいない。
紙の本の場合は、少々手間がかかるがKindleと同じ方法を使えばいい。読書中にアンダーラインを引いて、そのページに付箋を貼ればよい。そして、読後、付箋を頼りにアンダーラインをメモに書き出して、それに自分の考えを書き込めばよい。本に直接書き込むのもありだろう。
何度でも読み直す
これで、本に書かれていることをいつまでも忘れずに済むか‥‥答えはノーだ。ここまでしても、やはり忘れるはずだ。少なくとも、私は忘れる。残念ながら、アンダーラインを引いてメモするだけでは、本当に記憶に残すことは難しいと思う。では、どうしたらいいのか?その答えは単純なことで、何度もアンダーラインを確認して、書き込みを読み直し、そして、何度も感想文を読み直すことである。この反復こそが、確実に本の記憶を脳に刻み込めるのだ。たった一度読んだり書いたりしただけで覚えていられるほど、人間の脳は賢くできていない。
そして、もう一つ大切なことがある。それも実に単純なことで、何度でも再読するという方法だ。一度読んだ本を読み直すことは、あまりしないだろう。特に、多読家になればなるほどしないと思う。次々に読みたい本がある中で、再読する時間が惜しいからだ。多読家でなかったとしても、再読することに抵抗がある人も多いだろうと思う。しかし、同じ本を二度読むことは、一度しか読まないことと比べると、かなりの部分が記憶にしっかりと残り、さらには、より深くその本の趣旨を読み取れるのである。もっとも、一度読んで面白くなかった、興味が湧かなかったという本を再読する必要はない。それこそ、時間の無駄である。再読するのは、心に響いた本だけで十分だ。私の経験上、三度読み直した本の内容は、ほとんど忘れずに記憶している。それでも忘れたら、再度読み直せばよい。本とは、本来そういうアイテムなのだと思う。どんなに多読しても、何も脳に残らなかったら、ただの時間の浪費である。
まとめ
色々書いたが、記憶を定着させる読書術として必要なのは、以下の五つです。
1、読書中に、気になった箇所にアンダーラインを引く。
2、読書後、アンダーラインの文に自分の考えを書き込みする。
3、読書後、読書感想文を書く。
4、何度も、アンダーラインと書き込み、感想文を読み返す。
5、心に響いた本は、何度でも読み返す。
以上のことを実行すれば、本の記憶を脳に刻みつけられます。これらは、読書を煩わしくするものではありません。むしろ、読書という行為を、より楽しいものにしてくれるはずです。
かしこ。
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