今は原発を稼働させるべき

2. 社会

2011年の東日本大震災での東京電力福島第一原発事故から始まり、原発反対の機運が一気に高まり今日至ります。
しかし、原発を廃止することが本当に正しいのでしょうか。今回はこれについて語ります。

国として電力不足を起こしてはならない

福島第一原発の事故では、想定外の津波による災害を受け重要な設備をが機能しなくなり、結果、水素爆発を起こし放射性物質が放出されました。この事件により、クリーンなイメージのあった原発は実はとんでもなく危険なものという認識が世に広まりました。
この事から、政府主導で原発を廃止して代替エネルギーを模索する方向に動き始め、現在に至ります。
原発を停止させた今、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの生産は着実に増加してきているものの、発電量の主力は天然ガスや石炭による火力発電です。今年の初夏でも電力需給の逼迫から、千葉県の姉崎火力発電所5号機が再稼働しました。
現在の日本における電力の柱は、やはり天然ガスと石炭です。しかし、地球温暖化対策として、CO2の削減の為に火力発電所の縮小も行わなくてはいけません。

原発を止め、火力発電も抑える‥‥
しかしこれでは、電力不足に陥ってしまいます。節電の心掛けがも大切ですが、電気を自由に使えない不便さは、国民の社会生活に大きな不安要素を与えます。ですから、国として必要な電力は確実に確保しなくてはなりません。特に、医療関連での電力不足を起こしてはいけませんし、夏の猛暑の中、冷房機器を止めることは命に関わります。

理想と現実は分けて考えよう

日本の目標としては、2030年に再生可能エネルギーの生産率を36~38%にしたいようです。
そうなれば、火力発電や原発への依存も多少は薄れるはずです。
しかし、電力の技術革新と国民の安定生活の確保は同時進行で行われるべきです。政府は今年の夏も、家庭や企業に7月から9月にかけての節電を要請しましたが、本来は、この様な事はあってはならない事だと思います。

原発自体は私も反対で、できれば使うべきではないと思います。ただし、電力供給が電力需要を満たしているという条件付きでのことです。

原発がほぼ停止している現状では、電力が逼迫すると、どうしても火力発電の供給量を上げなければなりません。しかし、火力発電の稼働を増やせば増やすほど、どうしてもCO2の排出量も増えます。しかも今はロシアとウクライナの紛争であらゆる燃料が高騰していますので、当然に電気料金も値上がります。こんな状態が長く続くと、国民の環境面でも生活面でも劣悪していくばかりです。

それではどうすればよいか?
答えは原発を稼働させるべきです。これからずっと稼働させるべきというわけではありません。国としてしっかりと電力イノベーションのプランを立てて、それに沿って稼働期限を定めつつ、原発の一部稼働を行うべきなのです。
再生可能エネルギーの生産率を向上させつつ、火力発電の稼働を抑えつつ、至らぬ電力を原発で凌いでいくべきなのです。

先日、岸田文雄首相が、原発の運転期間の延長に加え、新増設や建て替えを検討する方針も表明した。
私はこれに大いに賛成です。国を運営する最高指揮者の判断として、実に正しい判断だと思います。

原発は危険なテクノロジーです。本来なら使うべきではないことは、原発推進派の人達でさえ感じていると思います。しかし、電力関連の技術開発には、かなりの時間が掛かかるというのが現実です。
原発ゼロという理想論を謳う前に、現実を直視する勇気を持つべきではないでしょうか。

かしこ

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