『昨日の海は』感想

4. 趣味

近藤 史恵さんの『昨日の海は』を読みました。

そろそろ夏準備が必要な季節になりましたので、本のタイトルと表紙絵でこの本を読もうと決めました。舞台は四国の海町で、その街に住む主人公の光介(高校生)とその家族の家に、母親の姉とその娘が同居することになり、そこからストーリーが展開されていきます。

夏のといば海での海水浴が何よりも大好きな私としては、この小説も海でのさまざまな描写があるんだろうと思ってましたが、海がらみの描写は少しだけでした。しかし、ストーリー的には間違いなく海がキーになっています。

海近くでの街での爽やかなストーリーかと思いきや、結構重い話なので意表をつかれましたね。ミステリーとまでは行かないのですが過去の謎に迫っていく展開なので、スイスイと読み進めてすぐに読み終えました。

大抵のミステリー小説は物語の最後まで読んで、謎部分の事実がわかって納得してその小説を終えるのですが、この小説は読み終えた後に何か腑に落ちない、心に引っかかるものがありました。それは、主人公の母の姉がとったある行動です。その時の心の中の感情は二つ考察できます。ネタバレになりますので内容は書きませんが、ざっくり書くと「善意」の感情と「怨恨」の感情です。(ただこれは、そこまで感じるかは読んだ人次第だと思いますが)前者だった場合は普通に流せるんですが、後者だった場合は、なんか怖いです💀 ですが、後者だった方が私的には好きかな(捻くれ者です😁)でもきっと、前者の感情だったんだと思います🙄

その他の場面でも、何となくスッキリしない気掛かりな感じがありました。この小説は、主人公以外の心理描写をあまりハッキリとは書いていないので、どんな気持ちだったのか色々と考察してしまいます。もしかしたら、それが著者の狙いなのか⁉️ちょっと考えすぎかな😆😆
何にせよ、個人的にはそこがこの小説の面白いところでした。
登場人物の感情をハッキリさせないで、読者の想像に任せる。意外にそういう小説はあまり読んだことないです。有りだと思います。

かしこ


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