「失敗の科学」を読んで

失敗の科学 4. 趣味

今回はマシューサイド著、有枝春訳の「失敗の科学」を読みましたので、感想を書きます。

本書は、「失敗は成功の元」であるという事を伝える上で、あらゆる業界の現状を書いて説明しています。
まず、いろいろ驚かされたのですが、その中でも航空業界と医療業界の共有の違いです。

向上する業界は失敗を認めてこそ

航空会社の場合、現場における事故の原因となったミスを、互いに供給し合うというシステムがで各航空会社で連携出来ているとのことです。飛行機にはブラックボックスが2つ搭載されいますが、(機長らの会話を録音した物と機器全般のシステムの記録)何らかの事故があったときに、これらが各社に公開されることになっており、公開されたデーターからあらゆるミスから学習し、飛行の安全に繋げていくということです。
これを読んで、飛行機事故が少ない原因を知るとともに、あらためて飛行機はとても安全な乗り物だと再認識できました😙

うってかわって、医療業界はたいへんクローズドな環境で、病院同士での共有関係がないとのこです。
年間にかなりの医療ミスがあるようで驚きました。(これは欧米での話なので日本の医療業界はどうなっているかは解りません)医療ミスの数が改善できない原因は、航空業界の様に失敗を共有するシステムがなく、さらに悪いことに、失敗を認めずに隠してしまう慣習があるとのことです。お医者さんはプライドが高いですからね、なかなか自分のミスを認めなさそうです。
怖いですね😱
これでは業界全体が良くならないですよね

さらに、警察関連では、本人ではない人を追い詰めて有罪にして刑務所送りにする、所謂「冤罪」があったときに、やはり誤認逮捕を認めず、最後まで冤罪であった事を認めない刑事が多いとのことです。裁判で冤罪が確定しても、自分のミスを認めないケースあるようですからお手上げです。
これも本書では欧米の事例を書いてますが、日本も結構冤罪は多いですよね😨

ミスは何度したって構わない

本書では、「失敗」をすることから多くを学び、そしてそれが人の技術を向上させ、ひいては各業界のシステムをバージョンアップしていく。だから「失敗」をすることを恥じずにオープンにする事が必要であり、「失敗」を隠すことは害悪でると訴えています。
私は強く賛同します。失敗を隠蔽したり人のせいにしていたら、そこから何も学べませんからね。

私も人間関係でも仕事でもたくさんの失敗をしてきました。(誰だってそうだと思います)大事なことは「なぜ失敗したか」を冷静に考えて失敗のポイントを探り、素直に自分の非を認め自己反省し改めることです。そして、同じ過ちを犯さない様にしていけば良いのです。
でも、もしまた同じ失敗をしてしまってもクヨクヨせずに、次に繋げていけば良いのです。たまに、「同じ失敗は二度としない」なんてカッコつけてる人がいますが、別に何度でもミスしても構わないと思います。最終的に改められれば良いのですから。

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諦めたらそこでお終い

実際何度も失敗すると「俺にはこれは出来ないことなんだ」と開き直って諦めてしまうことがあります。失敗したのは自分のせいではなく、能力が無いせいだとして。
確かに人それぞれ得手不得手があります。
自分の得意分野を伸ばしていくことは良いことですし、苦手な分野はさっさと見切りをつけた方が無駄を省けるとも考えられます。
しかし、本書でも書かれてる通り「なぜ上手くいかなかったのか」「失敗した原因はどこになるのか」を考察することは、とても大切なことだと私も思います。
「失敗したのはこのやり方が良くなかったからだ、そしたら次はこうやってみよう!」
これこそが、人間的成長の礎ではないでしょうか。

失敗することを怖がってはいけません。むしろ大いに結構なことです。大切なのは失敗から学ぶ姿勢です。
特に若いうちは、何も自分で自分の可能性を塞ぐ必要はないのですよ。

かしこ

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