迎え火と送り火で不思議体験

迎え火と送り火 3. 日常生活

地域により様々なお盆行事がある様ですが、私の地域では迎え火と送り火を毎年行なっております。
今年も無事にやり終えましたが、私の地域での行事方法と、そして以前にあった不思議な体験を語りたいと思います。

先祖を家にお招きする

毎年七月十三日に「迎え火」をおこないます。
時間は夕方の五時から六時くらいです。迎え火はご先祖様になるべく早く家に招きたいので、なるべく早く迎えに行くという風習です。
家の玄関の上り框にタオルと水の入った洗面器を置いておきます。この意味は、ご先祖様が家にあがる時に足を拭くからだそうです。
お墓で参拝後に、墓前で神に火をつけて燃やします。そしてら提灯に火を灯し家に帰ります。この時に提灯の灯りが消えない様に注意しなければなりません。この意味は、ご先祖様が迷わずに家に来れる様に提灯で先導する為だそうです。
そして家の玄関に着いたら「ご先祖様いらっしゃい!」と声をかけて、家に招き入れます。その後、仏壇で拝礼します。これが「迎え火」全体の流れです。

先祖にお帰りいただく

七月十五日に「送り火」をおこないます。ご先祖様からしたら二泊三日ということになりますね。
時間は夕方の七時くらいです。迎え火よりも時間が遅いのは、迎えは早く行って、送りのはゆっくりという優しさからだそうです。
家の中で提灯に火を灯して玄関からお墓に向かいます。この時も迎え火時と同様に、提灯の灯りが消えない様にしなければなりません。
墓前に着いたら提灯の灯りを消します。そしてお墓に参拝しご先祖様にお帰りいただきます。そして家に帰ったら仏壇に礼拝します。これが「送り火」全体の流れです。
そして、これで全てのお盆行事が無事に終了となります。

不思議な体験

十数年前の送り火の時の出来事です。
この年は親戚も来ていたので四、五人で行いました。いつもの様に提灯を灯して墓地に入り、墓前に着いた時の事です。何もしていないのに提灯の灯火がスゥーっと自然に消えたのです。提灯の中で火を灯している蝋燭はまだ残っている状態で、また、この日は風もなかったので「なぜ灯りが消えたのだろう?」と皆で不思議がりました。
私はが思うに、きっとご先祖様がお墓に帰る時に自分で火を消していったんだろうと考えました。因みに、この様なことが起こったのはこの時だけです。

そして、もう一つは七、八年前の迎え火の時の出来事です。
この年もいつもの様に白いタオルと水の入った洗面器を玄関框に置いておきました。お墓から戻って玄関から家の中に入って仏壇に礼拝し行事を終えたので、玄関框に置いてあるタオルを片付けよと私の妻が触ったところ、乾いて筈のタオルが濡れていたそうです。たしかに乾いているタオルを置いていて、もちろん誰も触ってないのに水に濡れるわけがありません。とても不思議だったそうです。
私が思うに、ご先祖様が家にあがる時に、水で濡らしたタオルで足を洗ったからだろうと思います。この時は余程ご先祖様の足が汚れていたので、家の床が汚れない様にという配慮だったんではないでしょうか。この体験もこの時だけで、この後は一度もありません。

日の落ちた夕方、子孫に迎えられ、そして送られるご先祖様。
きっと年に一度家に泊まりに来ることを楽しみにしているのでしょうね。

かしこ

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