サブスクリプションの弊害

サブスクリプションの弊害 3. 日常生活

サブスクリプションはあらゆるエンターテイメントで浸透しつつあります。
映画、音楽、ゲーム、電子書籍etc‥‥
便利な反面、何かしらの弊害もあるように感じます。今回はこれについて語ります。

便利でお得なシステム

定額を支払うことによって、あとは選び放題! これは実に画期的なシステムですね。
音楽のサブスクリプションであれば、新旧のあらゆる国の音楽が聴き放題です。しかも、コンテンツはほぼ減ることなく日々増えていく一方なので、毎月のようにCDを数枚買っているようなコアな音楽ファンには堪らないサービスではないでしょうか。聴き放題なので、あまり興味なかったジャンルにも気軽に手を出せますしね。
映画・ドラマ等の映像関連では、NetflixやAmazonプライム、その他もたくさんのサブスクリプションがあります。これらも、期間が過ぎると観れなくなるコンテンツはあるものの、基本的には新作が毎月のように増えていきます。以前はレンタル店に行って借りてきて観て、観終わったら返却というスタンスでしたが、サブスクリプションであれば自分の観たい時にすぐ観れて、煩わしい返却義務がありません。
ゲームのサブスクリプションもアップルやマイクロソフト、最近ではソニーでも始まりました。こちらも、それぞれに、かなりの数のゲームが提供されています。新作ゲームの値段は、大作であれば8,000円以上するので、やはりゲームファンにしてみたら実にありがたいサービスだと思います。
また、Amazon等で電子書籍のサブスクリプションもあります。もちろん限りある書籍の中からですが、自分の読みたい本を好きなだけ読めます。気になっていたけど、購入までは考えていなかった小説や漫画や雑誌等をレンタル感覚で気軽に読めるのは画期的ですね。

このように、あらゆる「サブスクリプションサービス」は、我々の日常に無くては成らないほどに浸透してきました。各サービスの月額料金も決して高くなく、複数のコンテンツを購入するよりも、得をする料金体制になっていますので、ユーザーは金銭面でも惹きつけられていると思います。

便利でお得なのですから、誰もが積極的に利用します。

流れるように

しかし、私は、どのサブスクリプションを利用していても感じることなのですが、利用した一つ一つのコンテンツを軽く感じてしまい、あまり印象に残らないのです。

例えばApple Musicでは、私の大好きな桑田佳祐さんの新曲が発売されると、当然すぐに聴きます。GreenDayのニューアルバムが発売されれば同様に、すぐにApple Musicで聴きます。
以前であれば、CDショップ等で購入していたわけですが、購入しなくても同質の音源を(現在はロスレス音源が当たり前)手間なく聴けちゃうんです。その他、気になる楽曲があれば、躊躇うことなく色々と聴き漁ります。
映画でも、お金を出して購入またはレンタルすることなく、観たい映画や気になる映画を、夜や休日などの時間がある時に観まくります。
ゲームも同様、お金を出してソフトと買う事なくプレイします。小説や漫画も読みたいものがあったら、いくらで読み耽ります。

便利ではあるのですが、こういったサブスクリプションで体験するコンテンツにはお金を掛けていませんから(もちろん月額料金を払っているので無料ではないですが)、選んで楽しむコンテンツに対して思い入れが浅くなってしまします。なので、ちょっと試して、そのコンテンツが楽しくなければ、粘ることなく捨ててしまいます。例えば、ゲームであれば、やり始めて1時間くらいプレイして面白くないと感じれば、すぐに投げ出し、音楽であれば、一度聴いて好みじゃなければ二度と聴きません。
このようにコンテンツを粗末にするのは、本来の対価を支払っていないからだと思います。8,000円出して購入したゲームを1時間のプレイで投げ出すことは滅多にない筈です。せっかく購入した音源であれば、何回かは聴くのではないでしょうか。
それと、もう一つの理由は、コンテンツが豊富にあり過ぎることの弊害だと思います。
ツマラナイと思ったコンテンツを無理に続ける必要はありません。一つに拘らなくても、他にいくらでも選択できるのですから。

これらの理由から、サブスクリプションのコンテンツは、どうしても軽くなるのです。次から次へと流れて行き、それはまるで、川に浮かんだ落葉が流されていくかの様です。軽く流して次に行く事の繰り返しになってしまいますので、そうなるとエンターテイメントもなんだか味気ないものになってしまいます。

私は、映画館で見る映画や書店で購入した本は、少々好みではなくっても、取り敢えず最後まで付き合います。途中で投げ出さないのはお金を支払ったからです。(人によっては、それでも投げ出すかもしれませんが)観終わって、読み終わって、結果「今回は失敗した」という事になっても、それはそれで一つの味わいがあると思います。本や音楽などは、その時はつまらなく感じても、時間が経ったときに再度触れたくなることもありますしね。

どうせエンターテイメントを楽しむのであれば、腰を落ち着けて、しっかりと味わいたいものです。
たくさんの体験して、たくさんの知識を得たとしても、そこに「味わい」がなければ虚しい時間の浪費でしかないのかもしれません。

かしこ

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