Homepod第二世代のオーディオスピーカーとしての実力

オーディオスピーカーとしての音質

AirPlayで繋げた時、本体上部が光ります。

それでは本記事の主目的である、オーディオスピーカーとしての音質をレビューしていきたいと思います。これ以降の音源はすべて、Apple MusicのロスレスまたはドルビーアトモスをiPhoneからAirPlayで接続したものになります。

私は新しいスピーカーやイヤホンを購入した時は、必ずサザンオールスターズのアルバム『KAMAKURA』を聴きます。もうこのアルバムは何百回と聴き込んでいるので、音の鳴り方の違いを確認できますし、とにかく音数が多くて色々な音が詰まっているので、これらの音をしっかり聴き取れるか等も含めてリファレンスとしています。さて今回はどうなるでしょう🤨

まず最初に感じたのが音の広がりで、Homepodを置いた前方全体から音が鳴り響きました。部屋全体から聴こえるという感じでは無くて、飽くまでも前方から聴こえる感じです。音の定位感はやや甘く、707S2のシャープな定位感と比べるとフォーカスが緩い感じを受けました。そして、707S2が寒色系だとするとHomepodは暖色系のサウンドだと感じました。音場が広いせいか楽器一つ一つの音がしっかりと聴き取れるので、音数が多くてもごちゃごちゃせずに聴き取れます。
桑田さんのヴォーカルはやや薄く、楽器等の音量と同列か少し後ろに下がっているような感覚を受けました。この時点で、もしかしたら高音、低音にくらべて中音は弱いのでは?と思い、次にヴォーカルの主張度が高い松田聖子のアルバム『Candy』を聴いてみました。聖子さんヴォーカルが前方中央からしっかりと現れ、ハリのある声量がとても心地よく響き渡りました。なので、決して中音が弱いなんてことはなさそうです。ただ、707S2と比べるとヴォーカルの艶やかさは影を潜め、誇張のない歌声になっているように感じました。こう書くと、高音が上まで出ていないと思われるかもしれませんけど、高音もしっかり鳴っていて、楽器の余韻もちゃんと聴こえてきます。私が思うに、これは707S2とHomepodのツイータの性質の違いではないかと思います。
707S2はシャープに音像を聴かせてくれる代わりにスイートスポットは狭いです。ベストポジションで聴いている時は、とても高音質で音楽を楽しめて心地よいのですが、少しでも頭を移動すると音像も変わってしまいます。なのでほぼ動かない様にして聴いていましたが、この煩わしさが707S2で音楽を聴く時間が減った大きな原因です。
Homepodの場合は部屋のどこにいても最高のリスニング体験ができると謳っているだけあって、少々頭や体を移動しても音の聴こえ方がまったく変わりません。個人的にこれは驚きの体験であり、いままでの煩わしさから解放された喜びを覚えました。

ロック関係はどう聴こえるかということで、Greendayのアルバム『WARNING』を聴いてみました。ギター、ベース、ドラムがとても元気に躍動感を持って展開されました。楽器の音に躍動感があるので、打ち込み音源には無いバンドサウンドの生々しさを肌で感じとれました。707S2は生々しくも美音系でしたが、Homepodの方は演奏の荒々しさが見える様なライブ感があります。これならロック系も今までの環境より楽しく聴けそうです。ただやはり、ビリージョーのヴォーカルの音量が低く感じました。しかしこれは、先ほどのサザンオールスターズ同様、元々がバンドサウンドとして録音する時に、ヴォーカルの音量を下げて楽器隊の音量が前に出る様に録っているので、これが本来の聴こえ方なのだと思います。桑田さんも以前ラジオで、昔は外タレの真似してヴォーカルの音量を抑えたと言っていたので、この推論は正しいと思います。
つまり、高音、中音、低音をフラットにした、音の色付けを抑えたモニター調のサウンド作りなのかもしれません。
ただ、このサイズからは想像できない量の重低音がしっかりと鳴り響きます。高音中音を掻き消すほどの音量ではなく、他の帯域とのバランスの取れた豊かな重低音です。707S2ではウーファーを買い足したくなるほど重低音は物足らなかったので、この点もとても嬉しいです。
しかしこのコンパクトサイズのスピーカーでここまで重低音を鳴らすなんて‥‥
Appleの技術力に感謝🥹

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