『金剛さまを偲んで』を読んで

1. 解脱の教え

 今回は解脱会から出版されている『金剛さまを偲んで』を読みましたので、感想を語りたいと思います。この本は上・中・下の3部構成になっていて、金剛さまがご存命の時にご指導をいただいた会員さんたちの体験が記されているので、とても貴重な本だと言えます。

嫉妬してしまいます

 実は読んだのは今回で2回目です。
やはり、金剛さまから直接の指導を受けた方々の話はとても生々しくて、読むことによって自分自身が金剛さまから勉強を受けているような気になれます。
それと同時に、この本のように、ご存命時の金剛さまから直接に勉強を受けたというエピソードを読むたび、当時の会員さんをとても羨ましく思います。
私もですが、一言でいいから金剛さまから勉強を受けたいと思われている現代の会員さんは実に多いと思います。なので、私と同じように当時の会員さんに嫉妬する読者は多いのではないでしょうか🙂‍↕️
体験話の中には、事細やかに金剛さまからいろいろなご指導をいただいた方もいらっしゃったようですが、大抵の方は二、三回のご指導から学んだ方や、たった一言から学んだ方もいらっしゃるようです。金剛さまは、一辺倒の指導ではなく、会員さんそれぞれに適した勉強をされていたことが読み取れます。人によっては雷が落ちたが如く大変厳しいお言葉を。また、人によっては大変優しいお言葉をかけられていたようです。「人を見て法を説け」という言葉がありますが、まさに金剛さまは会員一人ひとりに合わせて、その人を救わんが為に一番良い方法で縦横無尽に解脱を説かれていたのだと思います。
また、金剛さまから掛けられた言葉の真意がその場では分からなくても、しばらく経ってからご自身で悟られたというエピソードも多くあります。このことから、手取り足取り解脱を教えるのではなく、自分自身で深く学びそして悟ることがとても大切なことであるという金剛様のご意志を拝察いたします。

時代は変わっても揺るぎない

 この本で書かれているエピソードは、昭和8年くらいから金剛さまがご逝去された昭和23年までの戦中、戦後という時代背景です。当然に現代の令和時代とは世相が大きく違うので、現代人の我々が読んでもまともに勉強できないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、全くそんな事はなくしっかりと解脱の勉強ができます。
確かに時代は移り変わるので、その変化に適応するために自身をアップデートしなければいけません。これを拒むと所謂「老害」になってしまいます。現代の、特に若い世代の方たちに解脱の教えを伝える方法も、昭和時代の方法論のままでは上手くいかないと思います。現代のスピードと効率の時代にマッチした指導内容にすべきであると私は考えます。
しかし、この本を読み終えて、解脱の教えの根本は永遠に変わる事はないと確信しました。
何時いかなる時代であろうとも、『感謝報恩』『自我没却』の解脱精神は不滅です。むしろ、スピードと効率が重視される現代にこそ、この素晴らしい解脱の教えが必要であると思います。
こういった勉強ができたことだけでも、この『金剛さまを偲んで』を今回読み直して良かったと思いました。次にまた読み直すときは、また違った気付きがあるかもしれません。解脱の本は読み直せば読み直すほど新しい勉強ができるような気がします。

 上・中・下の三冊なのでそれなりに読みごたえはありますが、きっと、読み出したら止まらなくなります。解脱会員の方にはもちろんのこと、会員ではない方にもお勧めしたい一冊です。

かしこ

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