小説『本心』を読んだ感想

4. 趣味

 まだまだ暑い日が続いてちっとも秋らしくないですが、読書の秋はもう少し先でしょうか‥‥🫨
まぁ逆に外は暑いから家にこもって読書というのもありですけどね。秋になったら行楽シーズンになると本を読む時間がなくなりそうですし😌

 さて、今回はこの秋に映画化され、11月8日に全国ロードショーされる平野啓一郎さんの『本心』を読み終わりましたので、いつものように私の独自的な感想を述べたいと思います。

 この物語のテーマはすごい❗️
現代社会のさまざまなテーマが織り込まれています。舞台は2040年ということで近未来の日本なのですが、AI、異常気象、人種差別問題、所得格差問題、LGBT、少子高齢化問題、そして自由死(尊厳死)の問題も書かれています。2040年であればおよそ15年後の日本なのですが、どのテーマも当てはまりそうで読んでいて少し怖くなりました。特に、高齢化社会につながる自由死の選択は、本当にありそうな事なので、ちょっと考えてしまいました。🧐
 この物語の内容を簡単に書くと、主人公である石川朔也が亡くなった母のAIを作成して、母がなぜ自由死を望んでいたのかを探るというストーリーです。VRを装着することによって、AI化された母と会話ができるのですが、ここも実にリアルであり、今現在のAIとVR技術が融合してさらに開発が進めば、この物語のようなことが実際に現実になることは十分あり得ます。それと、現代ではスマホを持っているのが当たり前のように、この物語の中ではアバターを各自が持っていて、架空の空間で会話ができるのですが、これも実現性がある設定で面白かったです。

 朔也は、母の友人だった三好彩花と出会い、自然災害でアパートを失ったことがきっかけで朔也の自宅に一緒に住むようになります。そしてアバター職人のイフィーと出会い、イフィーとともに働くようになり、3人は仲の良い友達になるのですが、朔也は三好に恋をしていますが、イフィーも三好に恋をします。そして、朔也のとった行動は‥‥⁉️ ここ、ちょっと泣けます😂 そしてこれが朔也なりの本心なのでしょう。
 会社の同僚である岸田にはドローンを使った殺人未遂で逮捕されるのですが、岸田の取った行動にも岸田なりの本心があります。
 そして、朔也は、母が自由死を願うようになった最大の原因と思われる藤原亮治に面会して、母のことを、そして、自分の出生の秘密を聞き‥‥‼️ 母の、そして自分自身の本心を掴みます。
 そうなんです、この物語のタイトルである『本心』は、ひとつだけではなく幾つも描かれているのです。そこが読み終えて一番感じたポイントです。この小説はとても長いです。私は読むのが遅いので10時間くらいかかってようやく読み終えました。これだけ時間をかけて読んだ割には、正直、そこまで印象に残るような内容ではなかったです。一番肝心な母の本心のオチが少し弱く、味気なかったのです。まぁ、あくまでも私の感想なので、読んだ人に依るんでしょうね。映画化されるほどの作品なので、読んで損はないと思いますけども。

かしこ

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