歳を取ったら何をしますか?それはもちろん楽しいことをするでしょう。定年退職になったなら自由時間が増えるので、大掛かりな旅行に行くこともできますし、就労時にはできなかった趣味にどっぷりとハマってみるのも楽しそうです。老後は楽しみに耽ることができる人生の時期だと思います。
しかしながら、年老いると時間があっても、楽しいことばかりの毎日にはならないこともあります。仕事が趣味のように楽しかった人は、逆にやることがなくなって退屈に感じることもあるでしょう。新しい趣味を見つけると言っても、そう簡単にはいかないかもしれません。そして、年齢とともに体力も低下するので、若かった時には充実していた気力が萎んでしまい、それに伴って行動力や思考力も落ちてしまいます。こうなると、やはり人間は年老いたら楽しいことが減ってしまうだけのように思われます。
私の母は、今年で80歳になりますが、とても元気溌剌とした人でした。しかし、70歳を超えたあたりから少し気が弱くなってしまいました。母は解脱会に教えのモットーである「人心救済」を地で行く人であり、たくさんの会員さんたちに精魂込めて指導してきました。実際に、母の働きにより、解脱の教えを学び救われた会員さんはいます。まさに解脱の教えが「生きがい」なのです。しかし悲しいかな、寄る年波には勝てず、肉体的にも精神的にも弱ってきたので以前のような溌剌さは影を潜めました。
先日、そんな母のことを解脱会のある先生に話した時に、言われた言葉があります。「年老いたら、笑うことをすればいいんだよ」と。これは何気ないアドバイスのようですが、実に深い教えです。言われてみれば、日常生活で笑うことが少ないように思えました。もちろん、今でも解脱の教えを一生懸命学んでいる母ではありますが、もう少し笑えることを探して、老後を楽しく生きてもいいのではないかと感じました。それにはやはり、我々がもっとしっかりと解脱の教えを学んで、母を安心させなければならないのですが。
老年といえる年齢の方々を想像した時に、腹を抱えて大笑いしているシーンは、あまり出てきません。せいぜいテレビを見ていて笑っていることくらいしか想像できません。逆に、若い世代の人が大笑いしているシーンは容易に想像できます。もしかしたら、人間は年老いると笑うことも減ってしまうのかもしれません。しかし、それでも笑っている老人は元気なイメージがあります。なので、年老いたならば、積極的に笑えることを見つけて、大いに笑ってもらいたいです。きっと、それが老後を楽しく元気に生きていく原動力になり得るはずです。
「笑う門には福来る」ということわざ通り、笑うことは大切なことです。最近は、手軽な笑いをお茶の間に届けてくれる役割を担っていたテレビが、届けてくれるのは「謝罪」ばかりです。そういえば、私も最近大笑いしていませんね。笑えることを探してみようと思います。
かしこ
コメント