昨日、サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025 THANK YOU SO MUCH のライブビューイングにいってきた。映画館のスクリーンからでも、サザン愛はしっかりと届いた。
恐るべしサザン人気
2025年5月29日(木)に東京ドームで開催された、サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025 THANK YOU SO MUCH の千秋楽にライブビューイングで参加できた。本来は当然に現地でのチケットを申し込んだわけだが、残念ながら取ることができなかった。サザンのライブのチケット獲得はかなり厳しい。絶対に行きたいのならばファンクラブに加入すべきなのだが、どうも私はライブ観戦のためにファンクラブに加入するのには抵抗がある。これはサザンだけでなく、ほかのアーティストにも言える。なんだかいいように搾取されている感覚があるからだが、こだわっていてもしょうがないことかもしれない。それではまともにチケットが取れないからだ。
そこで、ライブビューイングを申し込んだ。結果、妻と2人分の席を確保することができた。今回の千秋楽のライブは、全国47都道府県の272館、589スクリーンの映画館で実施されたようだ。さすがにこれだけの会場があれば、チケットが取れないということはないだろう。しかし、それも甘いかもしれない。選んだ映画館は、いつも映画を見に行っている「TOHOシネマズ 市川コルトンプラザ」にしたわけだが、確保できた席は最前列から2番目で、一番左端から2番目の席だった。これがライブ会場なら最高の席だが、映画館としてはダメ席である。サザンのライブを観たい人があぶれることなく確保したスクリーン数だったのかもしれないが、それでも危なかったのかもしれない。うーん、恐るべしサザン人気。
ライブビューイングには、第2の参戦です。
実は、わたしはライブビューイングを観る気はあまりなかった。ライブのチケットが外れた時点で、「縁なしだ、しかたない。」と感じ、今回のサザンライブは諦めていた。妻からはライブビューイングを誘われたが、あまり乗る気ではなかった。ライブは会場にいるからこそ味わえる感激であり、いくら生配信されているとはいえ、映画館で観るのはなんか違うと感じていたからだ。それでも観ようと思ったのは、今回のライブの千秋楽というのもあったし、もう当分サザンのライブを観る機会はないかもしれないと思ったからだ。サザンオールスターズの活動は実に断続的であり、キリのいい周年で新曲を出したりライブを公演して、終わると数年は活動休止状態になる。2000年に入ってからはずっとそんな感じだ。ましてや、桑田さんをはじめ、メンバーも皆69歳くらいになる高齢者だから、この次が必ずあるという保証はない。だから、たとえスクリーン上であっても、『サザンの生ライブ』に参加できるのならばと思い、観に行くことにしたのだ。
結果、やはり観に行って本当によかった。たとえ映画館のスクリーン上であっても、そこに映し出されているのは間違いなくリアルタイムのサザンオールスターズのライブであった。映像と言ってしまえばそのままなのだが、ただのライブ映像とは違う。言葉でうまく表せないが、『ライブに参戦している』という感覚が確かに存在していた。何回も桑田さんはトークの中で「ライブビューイング!ライブビューイング!」と、われわれライブチケットが取れなかった敗者に声をかけてくれていた。この言葉は、ただ単にステージ上での決め事的なMCには私は聞こえなかった。サザンのライブを観たいファンは非常に多く、全員がチケットを獲得して観ることは不可能だ。そうであるならば、ライブに来れなかったファンにも、映画館のスクリーンを通してライブに参戦してもらう。そんな桑田さんの思いやりを感じたような気がする。そう、これはこれで立派なライブ参戦だと思う。コロナ禍ではネット上で生ライブを公演していたが、それとは違う。映画館という会場に足を運んで観る生ライブは、第2の立派なライブ参戦である。実際に、公演中に拍手や曲に合わせて手拍子が行われていたし、歓声を上げている人もいた。各々が楽しんでいるのは、サザンのライブ映像ではなく、サザンの生ライブそのものであったように見受けられた。
サンキュー・ソー・マッチ
セットリストも素晴らしかったと思う。当然のことながらサザンの曲数は非常に多い。その中からライブツアーを公演するのに毎回チョイスするのは大変なことだと思う。必ず演奏すべき定番曲もあるし、その時々の世の中情勢、または開催地にちなんだ曲を選んでいるのだろう。今回のセットリストは、新旧とサザン好きにはたまらない名曲を散りばめながらも、10年ぶりのオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』を真ん中に挟み、そして、ラストに向かって怒涛の勢いで疾走していく定番曲でクライマックスを迎え、アンコールではさらに盛り上がり、サザンオールスターズと参戦者が一体となった。まさに、今回のライブのタイトル通り「サンキュー・ソー・マッチ」なライブであった。ありがとう!これ以外言葉はいらない、本当にありがとう!
こんなに感謝の気持ちになれる音楽ライブは、人生初だったかもしれない。なぜ、こんなにも感謝の気持ちになれたのか。それはきっと、桑田さんをはじめ、サザンオールスターズのメンバーが、われわれファンにありがとうの心があり、そして、われわれファンがサザンオールスターズにありがとうの心があったからだろう。お互いからありがとうの心が発せられれば、こんなに素晴らしいエンターテイメントになるのだ。とても素晴らしかった。ありがとう!
かしこ
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