成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫) の感想文

4. 趣味

 この本のタイトルと表紙のイラストからして、活発な女子の物語だと想像していたが、ただ活発なだけではなく、とても個性的な女子の物語だった。

 主人公である、成瀬あかりの中学生から高校生までのエピソードが書かれており、成瀬に関わる島崎などの友達らとのやり取りがメインである。これが実に面白い。どのように面白いかはズバリ、成瀬の個性的な思考と行動力である。

 決めたことにひたすら打ち込むのだが、どんな事があっても最後までやり遂げるというスポ根的な青春ドラマではない。挫折してしまうこともある。しかし、たとえ挫折であっても、良い経験をしたと思い込む前向きさがある。

 読んでいて、成瀬に惚れ込んでいる自分に気づいた。おそらくそれは、自分にないまっすぐな心が、この本の主人公にはあるからだと思う。そして、もし、こんな女子がいたら、ぜったいに友だちになりたいと思った。

 私の学生時代もそうだったが、現代の学生は、とにかく周りを意識しすぎだ。周りだけではなく、SNSのせいで広範囲に気を使い過ぎだと感じる。もちろん、自分本位に何でも考えて行動することはよくない。しかし、自分は誰にどう思われているのか?このような行動は他人はどう思うのか?などなどを考えすぎるきらいがあるようだ。

 このように振る舞えば、きっと生きていくのが楽なのだろう。自分をあまり前面に出さず、控えめにしている方が、何かと波風も立たない。しかし、凡庸な生き方も良いかもしれないが、それでは、自分の器量をどんどん狭くしてしまっていると思う。だいいち、そんな生き方ではつまらないと私は感じる。

 自分がやりたいこと、感じたことを行動してみる。それは、とても大切なことであると、この本を読んで感じた。私みたいなオッサンでもそう思うのだから、若者がこの本を読んだら、もっと感じてもらいたい。

 このKindle版の「成瀬は天下を取りにいく」を今日読み終えたのだが、巻末にこの本の文庫化を記念した、スマホ用壁紙のプレゼントを受けてれるQRコードがついていた。なんとダウンロード期限が2025年12月24日ではないか🤯
そう、もしこの本を読み終えていたのが明日だったら、わたしはこのプレゼントを得ることはできなかったのだ。何たる偶然だろう😯
今日、たまたまこの「成瀬は天下を取りにいく」を読み終えて巻末のプレゼントキャンペーンに気づいた人は、一体何人いるだろう。ラッキーだった⭐️

かしこ

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