【書評】『そして誰もいなくなった』改訳新版〜永遠の傑作ミステリー・小説が、さらに読みやすくなりました〜

4. 趣味

さて、アガサ・クリスティーの傑作ミステリー小説である『そして誰もいなくなった』が、改訳新版として本のカバーも一新され発行されていました。これは購入して再読するしかないでしょ!ということで読み返しました。この作品を読むのはこれで3度目で、初めは10代のときに読み、2度目は10年くらい前に読み、そして今回となります。同じ本を3回も読むということは、よほどその本は自分にとって面白い本なのだと思います。

実は、過去に2度読んでいたにも関わらず、真犯人が誰だったか覚えていませんでした😵

それゆえに、最後までドキドキしながら読めました。記憶力がないことも偶にはいいこともあるんですよ😄

まあ、さすがにストーリーはバッチリと覚えていましたが、何度読み返しても最強のミステリー小説だと思います。これから初めて読む読者が羨ましくなるほどです。

カバーの表紙絵がイギリスの兵隊さんの人形ですね。そうなんです、作中でも以前は「インディアン人形」であり「インディアン島」だったのですが、今作では「兵隊人形」であり「兵隊島」に変わっていました。疑問に思って以前に電子書籍版で購入した『そして誰もいなくなった』を覗いてみたら、こちらも「兵隊」でした。じつは、「インディアン」が使われていたのは、1976年刊行された清水俊二氏訳の『そして誰もいなくなった』でした。おそらく、10代の頃に初めて読んだのが、このバージョンだったのでしょう。やはり、いちばん最初に読んで衝撃を受けた記憶は永遠に残るでしょうね。ちなみに、アガサ・クリスティーが1939年に刊行したオリジナルでは、「ニガー人形」、「ニガー島」だったようです。これでは差別的ということで、アメリカ版では「インディアン」になり、それでも差別的として今回の「兵隊」となった経緯があるようです。私個人としては、たとえ差別的な言語が使われていたとしても、小説は架空の物語なのですから、下手に改変する必要はないと思いますけどね。ドラマも小説もオリジナル推奨派です、はい。

更に読みやすくなりました

今回の2026年版は2010年の「新訳版」のさらなる改訳(ブラッシュアップ)版という位置づけです。さらに登場人物のセリフ等のニュアンスをアップデートしたとのことです。

読んでいて、たしかに読みやすいと感じました。どうしても洋書の翻訳版は、登場人物の名前がカタカナなので覚えにくいので、誰が誰だか分かりづらくなるのは、洋書アルアルだと思います。そこは、たとえ改訳されても変わらないのですが(かと言って、登場人物の名前を鈴木さんや佐藤さんに変えるわけにはいきませんからね😆)、この改訳新版では、とくに登場人物のセリフの言い回しにクセがなく、とても読みやすく、登場人物のその時々の感情がとても理解しやすかったです。以前のバージョンでは、少々言い回しに洋書独特のクセがあったような感じがしましたが、今作では、そこがいちばん大きくアップデートされたと思います。何というか、現代的な文章になったといった感じです。

ただ、もちろん、ストーリー展開は同じなので、そこは安心して読んでもらってだいじょうぶです。ストーリーまでブラッシュアップされたらたまりませんよね😅

ですから、これから『そして誰もいなくなった』を読む方は、問題なくこの改訳新版を手にしてもらっていいと思います。ただ個人的には、人形は「インディアン人形」の方がよかったと思いますね、なんか「インディアン人形」の方が怖いじゃないですか。

いずれにせよ、本作はミステリー小説では名作中の名作です。私が読んできたミステリー小説の中でも3本の指に入ります。これを読まずしてミステリー小説は語れないほどです(まあ、そんな人いないか😅)。まだ読んでない御仁は、ぜひとも読んでみてはいかがだろうか。

かしこ

コメント

タイトルとURLをコピーしました