「あたしたち、海へ」感想文

あたしたち、海へ 4. 趣味

この夏に読みたい本、井上荒野さんの「あたしたち、海へ」を読んだので感想を語ります。

またしても勘違い

この夏に読みたい小説第三弾ということで、本屋さんで探して手にしたのが今回の小説。
私は夏に読む本は、夏を舞台にしたストーリーを好みますので、この小説を選んだ理由は、タイトルとジャケ絵からして女の子が海に行く話だろうと思ったからです。

しかし、
またしてもやられました😅
「海」は「海」でも、まさか人の名前が「海」だとは‥‥🥲
なので、波が立って塩辛い「海」は一滴も話の中に出てきませんw

前回も夏を期待して「夏への扉」を読んだのに、ストーリーに季節の「夏」全く関係なくて残念な思いをしましたが、今回もやらかしましたw
でもまあ、深く考えずにジャケ買いするのは好きなんで、これからもこういった本の選び方をしていきますけども😆

イジメの現場を見てるようなリアルさ

予想と180度違う、女子中学生の「イジメ」をテーマにした作品でした。
私立の女子中高一貫校で、女子三人がイジメグループの的にされてイジめらるんですが、このイジメの内容が物凄くえげつない。ちょっと読んでいて途中で精神的にキツくなったくらいです。
でも、実際にありそうな現代的なイジメ方で、「女子って怖い」と思いました。私の娘も女子校に通っているので、イジメの的にされたらどうしようと変な心配をしてしまうほどのリアルなイジメ描写でした。

いじめる側の心理としては、こんなにもとことんに、いじめる相手を追い詰めたいものなのかと考えさせられました。それもグループでいじめに加担するので、いじめられる側は悲惨です。いじめられっ子の仲間も、やがてイジメられる様になっていく辺りのくだりが、読んでいてとても辛い部分でした。
そして、いじめられっ子二人が決断したのは‥‥😶‍🌫️

海ちゃんは「海」でした

この小説は、章によって登場人物の視点が変わります。いじめられっ子の視点、父、母の視点、学校の教師の視点、いじめっ子の視点などなど。
中には、この人の視点の話は必要なかったのでは?と思える章もありました。この話は有っても無くてもメインストーリーに影響ない様に感じた部分もあったのですが、読み終えてみると、そういった部分があるからストーリーに深みが生まれるのかなとも感じました。いわゆる、外堀を埋める的な。

主人公二人(三人??)の女子中学生のやり取りや考え方が妙にリアルで、きっと、現実の女子中学生もこんな感じだろうなと思いました。私みたいなオジさん達では絶対にわからない世界です🙃

ラストの展開がまさに女子中学生的なノリで、正直「え!😦」となりましたが、きっと、これでよかったんでしょうね。ネタバレになるので詳しく書きませんが、10代の読者なら共感できるのかなとも思えます🤔

そして、ラストを読み終えて分かった事があります。これは書かせてください❗️
なんと海ちゃんの名前は、私が期待してた、波が立って塩辛い「海」を擬似化した名前であったわけです。なので、女子二人は「海」へ行ったのですから、タイトルに偽りなしです🤗
そう考えると、海ちゃんの性格は、「海」の様に周りに流されない大らかな性格で、何処にでも、それが遠く離れたペルーであっても行く事ができるというキャラ設定だったのでしょうか(私の考えすぎ?)
これにはやられた。著者の井上荒野さんの隠しお洒落にやられました。

かしこ

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