先日、ヨドバシカメラマルチメディア錦糸町でソニーのフラグシップウォークマン、NW-WM1AM2を購入したので、今回はこれについて語りたいと思います。
高級感と親しみやすさ
まずは開封の儀。とてもワクワクしました。
DAPの中では、やや大きめのサイズでしょうか。手に持った感じではズッシリ感はありますが、持ち運びが苦痛になるほどのな重量ではないです。
電源を入れたところ、50%くらい充電されてました。まずは自宅のWi-FiにつないでGoogleの設定、そして、Apple MusicをGoogleストアがダウンロード後、同期をしてスタンバイ完了です。
ちなみに、私はこのNW-WM1AM2は音楽プレーター専用で使うつもりなんで、その他のアプリは無効化しました。YouTubeだけは一応入れてありますけど。
見た目、手にした感じは高級感がありながらも、親しみやすさを感じられるデザインだと思いました。そしてソニー製らしいオシャレ感もあって、デジタルオーディオプレーヤーとしての満足感が高まります。電源のON・OFF、ボリュームの調整や再生一時停止等のボタンは、右側側面に揃ってます。何気ないことですが、ユーザーの扱いやすさをよく考慮した操作系の配置だと感じました。特にボリューム調整が+ーのボタン式なので扱いやすいです。最近の他社のDAPでは、ボリュームをダイヤル式にしてDAP上部に備えてあるタイプが多いのですが、私としては使いずらいです。外出先での利用シーンも想定したDAPとしては、操作のしやすさはとても重要なファクターだと思います。
カスタマイズしてこそのウォークマン
NW-WM1AM2には音質に関わる設定項目がいくつかあります。
まずは、DSDリマスタリングエンジン。
これは、PCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換してくれるエンジンです。ただし、この機能が使えるのはW.ミュージックのソニー純正アプリのみなので、パソコンから音楽データーを取り入れなければなりません。わたしはApple Musicしか使う予定がないので、この機能は使いませんので、どう音が変化するかわかりません。
次は、DSEE Ultimate。
これは、MP3等の圧縮音源やCD音源を、ハイレゾ相当の最大192kHz/32bitにアップスケーリングします。以前からあるソニーの技術ですが、更に進化したAIが働いてアップスケーリングします。CD音源にも効果があるというのが味噌ですね。
そして、DCフェーズリニアライザー。
これは、アナログアンプと同じ位相特性をDSPによる演算で再現し、デジタルアンプでありながらアナログアンプに近い、十分な低音感が得られようにする機能です。アナログな音が聴きたい人には、ありがたい機能だと思います。
10バンドイコライザー。
説明不要のイコライザー機能ですね。10バンドあるので、お好みの音質に変えられそうです。私はイコライザー否定はなので、この機能は常にOFFです。
ダイナミックノーマライザー。
これは曲ごとの音量差を抑えて、適度な音量に揃える機能です。お気に入りのプレイリストを作って様々な音源を聴くときに便利かもしれません。音源によって録音レベルがまちまちですからね。
バイナルプロセッサー。
こらは、アナログレコード特有の音響現象をDSP技術により再現し、デジタル音源をヘッドホンで聞く場合でも振動系の初動感度特性の向上と空間フィードバックを再現して、豊かな音の再生を可能にします。レコードの音質が好きな人向けですね。
ソースダイレクト。
サウンドエフェクトを一切かけずに、ファイル本来の音質でそのまま出力します。つまり、上記のサウンドエフェクトを一切使わずに、素の音質を聞くためのモードですね。[DIRECT]スイッチをタップして切り替えます。
以上がこのウォークマンの音質設定ですが、それぞれの機能をON・OFFして組み合わせ、自分好みの音を探っていけます。
私は本来、音質をエフェクトでいじるのが嫌いなタチで(潔癖症w)、余計な機能を使わずに素の音で音源を聴くタイプの人なのですが、今回のウォークマンでは、積極的にサウンドエフェクトを使う様にしました。なぜなら、サウンドエフェクトを掛けてこそ、このウォークマンの真価が発揮されると踏んだからです。
NW-WM1AM2のサウンド設計は、エフェクトを掛けた状態こそがデフォルトなのではないでしょうか。ソースダイレクトで聴くのであれば、他の安いDAPで間に合う気がします。
なお、ハード面についての説明は省きます。よく知りたい方は、ソニーの公式ページを見てください。
私がチョイスした音質設定は、DSEE UltimateをON、DCフェーズリニアライザーをON、その他全てOFFです。最初はDCフェーズリニアライザーをON、バイナルプロセッサーON、その他OFFで聴いてましたが、音が柔らかいのはいいのですが、なんとなく音が平面的になるので、DSEE Ultimateを効かせて、バイナルプロセッサーは切りました。今のところはこの設定が好みです。
最高環境のカセットテープの音が鳴る
私がこのNW-WM1AM2を購入した理由は、「アナログな音質」というレビューに惹かれたからです。
それと、9月になると値上げするという情報に後押しされました。昨年買ったDAP、Hibyの「New HiBy R6」があるのですが、以上の理由から思い切って買いました。
それでは、一番大切な音質レビューです。なお、使っているイヤホンはソニーのIER-Z1Rです。なので、このイヤホンで聴いての感想になります。
音質はとてもアナログ的で柔らかく、かつ、透明感がり、聴いていると音楽の中にスッと吸い込まれる様な感覚に包まれます。音が柔らかいと表現すると、解像度が低いように思われるかもしれませんが解像度はしっかりあります。解像度が高いと、どうしてもデジタル的なエッジの立った音質になりがちで、モニター調の聴き方になるのですが、このNW-WM1AM2の音質は飽くまでも「音楽を聴く」為のサウンド志向だと思います。
音の粒立ちがとても心地よく輪郭もはっきりしているので、パーカッションなどの本来はやや隠れ気味の音源もハッキリと聴こえます。そして、音の分離感も抜群です。バンドサウンドの場合、ヴォーカルが中心にあって、それに続く楽器隊であるドラムの音、ギターの音、ベースの音等が混ざる事なく明確に分かれて聴こえてきます。この聴こえ方はスピーカーでは表現できないと思います。質の良いヘッドホン・イヤホンならでは楽しい聴こえ方ですね。
New HiBy R6も、音の粒立ちが良くアタック感もあり、音の分離感もしっかりしているので聴いていて楽しく、音質も素晴らしいのですが、いわゆるデジタルな音なので1〜2時間くらい聴いていると、どうしても耳が疲れてしまいます。
しかし、このNW-WM1AM2の音は長時間聴いていても耳疲れしません。そして、音量を上げるよりも下げて聴いた方が、より繊細な音を聴き取れる感じがします。オーディオは良い機器環境ならばヘッドホンやイヤホンであっても、音量を上げてた方が音がいいと思ってましたが、そうとも言い切れないのかもしれません。この機種の場合は35〜45くらいのボリュームに絞って聴いた方が、やや迫力には欠けますが、今までボヤけていたバックグランドの音がより一層明確に聴こえてきます。煩くしないで音楽をしっかり楽しめるこの環境は至高です。きっと、イヤホンをしっかりとドライブするパワーが有りつつ、透明感のある音質だからだと思います。
このNW-WM1AM2の醸し出す音質を一言で表現するなら「カセットテープの音」だと私は表現します。それも、カセットテープ独特のノイズ音を全て取り払って、濁りの一切ない、極上のカセットテープのサウンドです。
やや誤解を招く表現だと思いますが、このNW-WM1AM2の音質は、ソニーの初代ウォークマンの音質の完成型ではないでしょうか。ウォークマンが大好きだった世代の方に是非聴いてもらいたいサウンドです。
音質レビューと言っても、まだ購入して5日目です。いろんな音源を聴いて、この新型ウォークマンの魅力を更に追求していこうと思います。また新たな気付きがあったら続きを書きたいと思います。
かしこ
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