政府がついに米の市場価格を明言! 〜これで主食は救われるか〜

2. 社会

 2025年5月現在、お米の販売価格は高止まりしたまま下がっていません。今だに、5kgで4,000円を超えています。しかし、ようやく政府自らがお米の販売価格について具体的な発言をしてきました。今度こそ、本当にお米の価格が安くなる期待が持てそうです。

お米高騰の原因

 2024年の夏以降に、スーパーの棚からコメが消える事態が発生し、それに伴い価格も高騰して5kgで3,000円を超えてきました。これが今年に入っても引きずられ、現在の高額になっていますが、そもそもこうなってしまった原因は何でしょう? 以下に原因と思われる要因をまとめてみました。

  1. 猛暑による品質低下と収量減少2023年の記録的な猛暑により、米の品質が大きく低下しました。新潟県産コシヒカリの1等米比率は、平年の75.3%からわずか4.9%にまで落ち込みました。また、精米時の歩留まりも悪化し、加工用の「ふるい下米」も大幅に減少しました。
  2. 需要の急増コロナ禍からの回復に伴い、外食産業やインバウンド観光客の需要が急増しました。さらに、ウクライナ情勢による小麦価格の高騰で、相対的に割安な米への需要が高まりました。
  3. 流通構造の変化と混乱従来の農協(JA)経由の流通から、直接取引が増加したことで、流通経路が複雑化しました。その結果、業者間での米の奪い合いや価格の高騰が発生し、流通の混乱が長期化しました。
  4. 買い占めと売り惜しみ2024年8月の南海トラフ巨大地震の臨時情報や大型台風の影響で、消費者の備蓄意識が高まり、買い占めが発生しました。また、業者による売り惜しみも価格高騰を助長しました。
  5. 減反政策と農家の高齢化政府の減反政策により、米の作付面積が縮小され、生産量が減少しました。さらに、農家の高齢化や後継者不足も生産力の低下に拍車をかけました。

 今回の米価格が異常な急騰になった原因には、単純に一つ二つのことだけではなく、このように幾つもの要因が絡み合っているのです。

米は日本人の主食です

 では、お米の市場価格はどんなものだったのだろうか。1980年から2025年までの5kgあたりの米小売価格推移データを出してみた。1993〜1994年は記録的な冷夏であったため3,000円を超えているが、それ以外の年は2,000円台である。逆に2008〜2011年では1,800円を切っている。そして、今年2025年現在では、およそ4,000円を超えている。ただでさえ、あらゆる食料品が値上げしている中、我々日本人の主食であるお米が、前年度の倍以上になってはさすがにたまらない。物全体の値段が上がっているのだから、お米も値上がりするのは、ある程度仕方ないことだろう。しかし、こんな状態を見過ごしてしまうことは、政権与党としては許されない事態であるはずです。繰り返しますが、我々の主食なのですから。

無能極まる農林水産省

 今年の3月下旬あたりから、ようやく備蓄米が市場に出てきましたが、アクションが遅すぎます。もっと迅速に対応できなかったのでしょうか。それはまだしも、肝心の価格を下げられなかったことは容認できません。

 米の出荷数が需要に追いつかなかったために、実際の売り場で米の在庫がさほど増えなかったことから、価格が下がりにくかったというのもあるでしょうが、いちばんの理由は、米を入札制度にして卸業者に配布したことです。当たり前ですが、入札制度である以上、いちばん高値をつけた業者に売ることになります。現在、お米の市場価格は急騰しているので、どこだって米を仕入れたいに決まっています。なるべく高く入札してお米を確保し、そして高くスーパー等に卸す。こんなことを農林水産省は読めなかったのでしょうか? 在庫がだぶつけば、やがて市場価格も落ち着くと思っていたのでしょうか? しかし、現実には価格は下がるどころかさらに上がっています。

政府が市場価格に物申した!

 前任の農林水産大臣、江藤拓氏は、2025年5月に「コメは買ったことがない」「家には売るほどある」といった配慮のない発言をして更迭されました。(個人的には、農林水産大臣を小泉進次郎にして、米売価の問題を一気に解決し、政府与党の国民に対する点数稼ぎのために、わざと行った策略ではないかと思う。)まったくもって馬鹿な発言だと思います。

 そこで、新大臣に小泉進次郎氏が就任しました。国民的に知名度があります。着任早々、政府備蓄米を「(5kgあたり)2,000円台で店頭に並ぶように」随意契約で放出していくのが基本方針だと発言しました。ついに政府が店頭価格について具体的な値段を明言したのです。これは大きな驚きです。数日前に石破茂総理も「コメが4,000円であってはならない。3,000円台が望ましい」と発言しています。これも驚きでしたが、今回の小泉大臣の2,000円台発言には、政府与党としての強い意志を感じました。とにかく、国民は主食であるお米の価格が高騰して困り果てているのですから、この問題をダイレクトに政府がコントロールして、見事目標を達成できたとしたら、とてもすごいことです。今までだと、よく効果がわからない給付金は配ってきましたが、今回は商品の売価を下げるという事案です。私は大いに興奮して、そして、発言通りの効果が出ることを期待しています。

かしこ

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