テクニクスのワイヤレスイヤホンEAH-AZ100をレビュー

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 今年、2025年1月23日に発売されました、テクニクスのワイヤレスイヤホン『EAH-AZ100』についてレビューします。このイヤホンは、YouTube等で発売前から大変評判がいいので、ガジェット好きの私としてはとても気になり発売日に購入。使用して約4ヶ月が経ったので私のなりの感想を書きます。細かい仕様やアプリの使い方などは書きません、あくまでも音質や音楽・映画を鑑賞した時の感想を中心に語ります。

 イヤホンやヘッドホンは大好きなのだが、ワイヤレス系はあまり手にしてこなかった。アップル製品のAir Pods MaxとAir Pods pro2を以前に購入したくらいなので、有線とくらべると少ない。Air Pods Pro2は息子にあげてしまって、Air Pods Maxしかないが、これは音質はとてもいいと思うのだが、1時間も装着していると頭部が痛くなってしまうので使うことを断念した。ワイヤレスが一つもないと、オンライン会議や外出先で音楽を聴くことができなくなるので、一基くらいは持っていてもいいだろうと考え、それならば、なるべく音質の良い製品にしたく、この『EAH-AZ100』を購入することにした。

 先に言っておくと、同価格帯とであるならば、当然のことながら有線イヤホンには敵わない。これはおそらく他社の製品でもそうだろうが、絶対的に有線イヤホンの方が音が良いと思う。音質云々というか、どうしてもワイヤレスイヤホンの音質は有線イヤホンと比べると音が薄まっているように感じる。そう、決して音が悪いとか、高音が出てないということではなく、全体的に音が頼りなく感じる。炭酸飲料で例えると、ワイヤレスは少々気が抜けて、少し生ぬるくなっている感覚だ。ただ、もっと高額のワイヤレスイヤホンならこのようなことがなく、もっと良い音が鳴るのかもしれないが、この『EAH-AZ100』では残念ながら、従来のワイヤレスと同様の感想である。ワイヤレスも年々進化しているだろうが、それでも、そこそこのアンプから有線で信号を送る技術にはまだ至ってないのかもしてない。まあ、ワイヤレスイヤホンは、その小さなボディにアンプが組み込まれているのだから、物理的にしょうがないのだろう。

 それではレビューを書いていく。視聴環境はiPhone14からのAAC接続であり、ノイズキャンセリングはON、そして、アプリのイコライザーはダイレクトの初期設定のままだ。わたしはソニーのNW-WM1AM2をもっているので、LDAC環境で聴くことができるのだが、試してもAACとLDACの音質の違いはさほど感じなかったので、常に電源がオンになっているiPhone14に繋げて聴いてのレビューである。

 この『EAH-AZ100』はたしかに音が良い。まず感じたのが、たっぷりとした低音の量感だ。この低音の鳴り方は、よくあるタイトな鳴り方ではなく、広くゆったりとした空間を感じさせるかのような鳴り方だ。ただ、曲によっては少々ダブついたような印象も受け、低音のフォーカスが曖昧なる気がした。だからといって、重低音を強調したドスドスと鳴る低品質なイヤホンの鳴り方ではない。よく、他のレビューを見ると「スピーカーのような聴こえ方」と言われているが、これは、このゆったりとした低音の鳴り方だから、そう言われているのだと思う。続いて中音域、主にヴォーカルだが、とても聴きやすい鳴り方だと思う。これは、Air Pods MAXやAir Pods pro2よりも、一枚上をゆく良い音であると思う。スッキリとしたヴォーカル音質は、有線イヤホンに近い音だと感じた。ただ、ワイヤレスイヤホン特有の腰の弱さは感じる。高音も気持ちいい音が出ている。ピアノやフルートの高音もなかなかの解像度で出力されているようで、再現性は高いと感じた。しかし、優等生的な鳴り方で、刺さるような超高音域は出ていないようで、そこは逆に少々物足らない印象を受けた。全体的には、低音がしっかりと出ていて、解像感ある中高音なので、ポップスやロックは楽しく聴けること間違い無いと思う。それだからこそ、伸びるような超高音があれば、クラシックも楽しめたのにと考えるのは無茶な要求だろうか。しかし、超高音域が弱いからこそ、聴き疲れしないのも事実。だから、バランス的にはこれでいいのかもしれない。

 では、映画を観た時はどうだろうか。iPad Proに繋げて映画を観た感想である。やはり、音楽鑑賞同様に低音がしっかりと鳴っているので、映画ならではの音の迫力が楽しめる。特に、重低音が響くシーンでは、脳が震えるような感覚を味わえて、まるで映画館の重低音のような上質な重低音を堪能できた。セリフもたいへん聞き取りやすい。iPad Proのスピーカで映画を見ると、スピーカーの穴が横に開いてるせいか、ややセリフがはっきりと聞き取れないことがあるが、このイヤホンは中音域はスッキリとした音質なので、とてもよく聞こえる。この『EAH-AZ100』をiPad Proに繋げて、綺麗なスクリーンで、しかも、高音質で映画を楽しめるのだから堪らない。この没入感は、映画館とはまた違った良さがあって、素晴らしい。以上のことから、映画やYouTubeを観るのにはとても相性が良いと感じた。音の遅延を気にするのは嫌なので、アプリの「設定」→「音途切れや遅延の抑制」→「音の遅延をより抑える」に設定して映画を観ている。この設定でどれだけ効果があるのかはわからないが、しておいた方が精神衛生上いいかもしれない。

 あまり外で使わないのだが、電車で使った感想は、音途切れもなくノイズキャンセリングもしっかりと効いて、問題なく音楽を楽しめた。外音取り込みも優秀で、アンビエントモードにすればイヤホンを外すことなく普通に会話ができた。その他諸々の機能や性能に関しては、ここでは書かないので、公式か他のレビューでも見てもらいたい。音質だけに絞っての感想としては、間違いなく良い製品であると言える。特に、すでに述べたゆったりとした低音のおかげで、音楽も映画鑑賞も十分に楽しめる。ただ、これはあくまでも『EAH-AZ100』がワイヤレスイヤホンであることを踏まえての感想であり、もっと高音質を追求するのであれば、他に選択枠はいくらでもある。そこを勘違いしないでもらいたい。

かしこ

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