『運転者 未来を変える過去からの使者』から学んだこと

1. 解脱の教え

 今回は、著者:喜多川泰さんの『運転者 未来を変える過去からの使者』を読んだので感想を語ります。今回は、感想文というよりも、この本を読んで共感したことを、私なりに解釈して、解脱の教えに倣って書きました。ですので、これからこの本を読む方にはネタバレになりますので、それが嫌な方は読まずに、今すぐこのページを閉じてください。

 以前、5・6年前に読んだのですが、もう一度読み返したくなり再読しました。この本も所謂「啓発本」の類になるのでしょうか。啓発本は、正直当たりを引くのはかなり少ないと最近は感じます。それなりに良いことが書いてあるのですが、共感できることはほとんどありません。近年のトレンドは、「努力するな」「頑張るな」ですから、そんなことばかり書いている本ばかりです。なので、啓発本はもう読まなくていいかなと最近は感じていますが、この『運転者 未来を変える過去からの使者』は違います。先に私の思いを書いてしまいますが、この本は超絶おすすめです。若い世代だけでなく、老若男女全ての方に読んでもらいたい本です。

 これは、間違いなくあると思います。いつも不機嫌な表情をしている人には幸運などこない気がします。むしろ、運が逃げていってしまっていると思います。イライラしている時にラッキーなことが起こりますか? まずないと思います。逆に、明るい笑顔でニコニコして、上機嫌である時には幸運に巡り合うことがあるような気がします。「運」というものは、実はそこいら中に転がっているものなのかもしれません。ただ、この運に気づくのには条件があって、自分が前向きな考え方で上機嫌であることが必要であり、逆に、イライラして不機嫌な時には気づくことができずに、ラッキーをスルーしてしまうのです。であれば、イライラすることを減らし、いつも明るい気持ちでいたいものです。

 その通りであると思います。運がいいのは運を消費しているからであり、使わなければ貯まっているのでしょう。自分の世代で運を使わなければ、その運は次の世代に持ち越されるという考え方は、まさにその通りであると言えます。これは解脱会の教えでの、「先祖の余徳」と同じ考え方です。努力精進して残した徳は、自分の子孫に受け継がれます。逆に、努力を惜しんで運を消費ばかりしてしまえば、子孫には負の遺産を残す結果になります。そうであるならば、なるべく子孫に徳を残せる人生を歩みたいものです。「努力して、要求せず。」の解脱精神を大切にしたい。

 この考え方は、目から鱗です。たしかにそうです、頑張りは人にエネルギーを与えるのです。たとえば、自分の息子が勉学にせよ仕事にせよ頑張っていると、自分自身も頑張ろうという気になります。さらには、頑張っている息子を見た学校の仲間や職場の仲間も、その姿に触発されて、自分も頑張ろうという気になります。そしてさらに、その仲間の両親も自分の息子を見て……というふうにどんどん連鎖していきます。これは、なんて素晴らしいエネルギーの循環でしょう! だから、努力は必要ないとか、頑張らずにほどほどに等の、日本人をダメにするウイルスに感染しないようにしましょう。

 人生100年時代などと言われていますが、しょせんは延々と続く命の物語の一部でしかないのです。たしかに、日本人の平均寿命は伸びました。しかし、何百年も生きられるわけではありません。せいぜい長く生きられたとしても100年かそこらです。100年だとしても、長い長い人類の歴史の中では、ほんの一時の出来事にすぎないのです。では、人はこの一時に何をすべきなのか? 楽しく豊かな人生を生きることは素晴らしいことですが、ただ楽しむだけではなく、人にはそれぞれお役目があるはずです。それは、人によりさまざまであり、1000人いれば1000通りの、10000人いれば10000通りのお役目があるはずです。しょせんは一時の人生なのですから、生きているうちに自分のお役目を実行して、少しでもたくさんの恩恵を次の世代に残しましょう。

 プラス思考とは、ただ単に前向きな思考で行動することではありません。本当のプラス思考とは、自分に起こった良いこと、或いは悪いこと全てをひっくるめて、それらは自分に必要だから起こった事象であると捉えることである。人間である以上、良いことが起きればそれは嬉しいし、自分はなんて運がいいのだろうと思い感謝もできますが、いざ、自分にとって悪いことや不都合なことにぶつかると、落ち込み悔しみ、時には人のせいにして恨んだりします。解脱会では、自分に起きた災いは、自分を成長させるために神様が与えてくれた試練であると教えています。そうであれば、何事にも感謝することがとても大切なのです。また、どんなに辛いことであっても、神仏の御守護の内側である以上、恐れることはないのです。

 ご飯一膳を食べることは、とくに深く感謝したり考えたりせずに我々は食べていますが、実は、このご飯一膳には、大宇宙の恩恵があってこそのものなのです。まずは当然に、米を栽培する農家の方達がいるからこそ米が食べられます。そして、日本国民の皆が米が食べられるように大量生産できているのは、トラクター、田植え機、コンバインがあるお陰です。これらの機器は、オーストラリア、ブラジル等の国から鉄を輸入することで製造されています。そして、稲はその昔、中国から伝来したものです。つまり、日本国だけでは米を作ることができないのです。そして、米が育つまでには、水、日光、土壌からの栄養分等々の、大自然の恵みがなければ、いかに人が手を加えたところで育てることはできないのです。最終的には、この地球がなければ、太陽がなければ、この大宇宙がなければ、我々はご飯一膳を食べることすらできないのです。このことを意識すれば、ご飯一膳であっても感謝の心を忘れてはならないのです。解脱会では宇宙の本体・大生命の根源として「天神地祇太神(てんじんちぎおおみかみ)」をお祀りしています。日々の生活の中で、大宇宙の恩恵に感謝しています。

 冒頭に書いた通り、この『運転者 未来を変える過去からの使者』は、とても素晴らしいことがたくさん書いてあります。私が読んできた啓発本の中では、間違いなく一押しの作品です。この本の副題と言っていい「報われない努力はない」という一文がすべてです。まさにその通りであり、努力は必ずや報われるのです。だれでも、幸福に生きるか不幸に生きるかであれば、絶対に幸福に生きたいと願うはずです。では、幸福に生きるにはどうしたらいいか? それには「運」を見逃さずに捉えるのです。どうやればたくさんの運を捉えられるのか? その答えはこの本に書いてあります。読んでみることを強くおすすめします。

かしこ

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