著者:王谷晶さんの『ババヤガの夜』を読んだので感想を語りたいと思います。
ベストセラーのこの作品ですが、ついこないだこの作品の存在を知ったので、読んでみることにしました。新刊はもちろんですがベストセラーも、電子書籍派だと案外見つけられないです。本屋さんには足を運ばないと🙂↕️
この本『ババヤガの夜』は、小説の中でも短い方だと思います。
なので、すぐに読み終えられるので、夏休みの読書感想文の宿題にはとっておきかもしれません。わたしが高校生の時には、夏休み中に三冊読んで、それぞれの感想文を原稿用紙三枚書きなさいという宿題でしたが、この時は読むスピードも遅かったので、結構苦労した記憶があります。まじめに先生推奨の本を選んだものだから、一冊が長かったのもいけなかった💦その点、この本は文章も緩めだし、話も短めなので、おすすめです。
内容はハードコアなアクション系で、読んでいて楽しかった。
アクションものの小説を読んだのはかなり久しぶりだったので、新鮮な気持ちになれた。アクションものは読んでいると、頭の中で痛快アクションが展開されるところが実に楽しい❤️これは、アクション映画を見ている時のハラハラドキドキと違って、完全に自分が思い描く人物や場所で展開される。だから、小説の世界観に深く嵌り込める。
ストーリーは、この物語の新道依子(しんどうよりこ)がヤクザ相手に大暴れして、その腕っぷりを買われヤクザ組織に拉致され、ヤクザの会長の娘の内樹尚子(ないきしょうこ)のボディーガードを任命されます。初めのうちは依子と尚子は馬が合わなかったが、だんだんお互いを理解し、認め合うようになり、二人は組織からの脱出を図ります。ざっとこんな感じです。
依子は強い、とにかく強い。22歳の女性でここまで強い女性がいたら、本当に格好いい。
しかし、それでもヤクザ組織にも強者がいるので、組織から逃れるのは簡単にはいかない。そして、尚子も一見、ヤクザの苦労知らずのお嬢様という感じなのだが、実はたいへんな悩み事を抱えていて、しだいに依子を慕うようになる過程がとてもかわいい。若頭補佐の柳も、依子の理解者で実にいい味を出している。尚子の父、内樹源造は娘の尚子を溺愛はしているものの、やはり根はドヤクザであり、とんでもない奴だ。また、尚子の婚約者の宇田川も、とんでもなく極悪非道の変態である。
まあ、とにかく、この本を読んで改めてヤクザ組織は怖いと思った。
残念に思ったのが、この小説は展開が早くて、そして話が短いからなのか、少し雑に感じた部分がある。柳は最後どうなったのか?内樹源造は死んだのか?など、はっきりとしない部分の前後に、もう少し文章を肉付けした方が、よりストーリーに深みが増して楽しめたのではないかと感じた。
この小説は、ただのアクション小説ではなくて、ある仕掛けがある(ネタバレになるから書かない)が、これは本当にすごい❗️ここがベストセラーになっている要因であろう。これから『ババヤガの夜』を読む方には味わってもらいたい。
かしこ
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