著者「サラ・パレツキー」、訳者「山本やよい」による、女探偵、「V・I・ウォーショースキー」が活躍するアクション・ミステリーの第三作目です。初版はおそらく1986年だと思います。十代の終わりくらいに読んだ記憶があり、今一度、ヴィクのハード・アクションを味わいたく手にして読み直しました。ちなみに、内容はまったく覚えていません。
ヴィクは、おばのローザから、勤め先の聖アルバート協会の金庫に入れてある証券が偽造品だったことが判明し、その調査を依頼される。捜査中に謎に人物から、硫酸を掛けられたりアパートを燃やされたりの惨事に会い、大変な目に遭うが、今作ではヴィクのアクション・シーンはほとんどないので、あまり読んでいてドキドキしなかった。ラスト・シーンでは愛用の「スミス&ウェッソン38口径リボルバー」が火を噴くのかと予想していたが、そんなことはなく、第三者に仕掛けられた車の爆弾で黒幕のオファーランド大司教は自爆するという、地味なラストであった。
しかし、今作の肝はそこではなく、ヴィクの母親ガブリエラの忌まわしい過去を、おばのローザから聞かされたラスト・シーンなのだ。この事実を聞かされたヴィクは落ち込んでセンチメンタルになる・・・・つまり、タイトルの『センチメンタル・シカゴ』はそういうことなのだ。
この小説も10代の終わりくらいに読んだはずなのだが、全く内容を覚えていなかった。おそらく、当時読んで、将来もう一度読み直そうとは思うほど面白い小説ではなかったはずだ。なのに、30数年が経過した今読み直したのは何故なのか、そこが一番の疑問だ。この本の表紙は、前作の『レイクサイド・ストーリー』同様に80年代を彷彿とさせるポップでおしゃれな表紙なので、ただ、この表紙だけに魅了されて再読をしようと思ったのだろうか?自分でもよくわからない。
今作も、やはり読みづらい。アメリカ文学もロシア文学も同じだが、登場人物はそれなりに出てくるが、人名がカタカナだとどうしてこんなに覚えられないのだろうか。こういった洋書の翻訳本には、本の最初に登場人物が書かれているのは、このページを見ながら読み進めてねという翻訳者のやさしさなのだろう。
前作よりは、読みやすい翻訳だったと感じたが、それでも、読んでいて状況が掴みづらい。もっと、大胆に日本人向けに翻訳して本にしてもいいのではないかと思った。しかし、あまりやりすぎると文章の改変になってしまうので、そうもいかないのかもしれない。
今作は、地味だ。まったくアクションではないし、ハード・ボイルド要素は皆無だった。唯一、ヴィクらしいアクションをしたのは、口汚くしゃべるローザの口を引っ叩いた箇所だ😁そんな内容だったので、かなりの期待外れであった。過去に一度読んだ本を再度読み直して、期待はずれというのはおかしいのだが、それでも、期待外れだった😁😁
それだけ、十代の時の自分と今の自分は違うということなのだろう。それにしても、私が勝手に描いていたかっこいいヴィクは何だったのか❓️記憶が混乱しているのかな❓️なにか違う小説と混ざってる❓️などなどの疑問があるから、昔読んだ本を読み直すのは面白いことなのだ。今回は、この記憶の混乱を味わえたから、この本を読んでよかったと思う。
さて、懲りずに第4作目も読んでみよう。そのうちに。

コメント