今は昔、あの時のアルバムをレビュー 〜 Robert Palmer 「HEAVY NOVA」

1. 解脱の教え

このアルバム『HEAVY NOVA』は、「ロバート・パーマー」が1988年に発表した9枚目のスタジオ・アルバムです。当時、19歳くらいだった私はこのアルバムが大好きで聴きまくっていました。最初はレンタルしてカセットテープで聴いていたのだが、CDとして買い直したのを覚えています。当時は、「CD」という媒体に深みがあったから、本当に気にいったアルバムは少しずつ買い揃えていたなぁ〜。さて、今回は好評⁉️のこのシリーズで、この『HEAVY NOVA』について語りたいと思います。

ロバート・パーマーとしては、前作である『Riptide』が大ヒットして、その勢いのままこの『HEAVY NOVA』を発表したらしいのだが、私はこの時は前作を聴いていない、というか存在も知らなかった。それでも、このアルバムだけを聴いただけで、すっかり「ロバート・パーマー」のファンになってしまった。この頃のロバート・パーマーは40歳くらいで、当時の私から見れば立派なオッサンだったが、とにかくシブくてカッコよく映ったのだ。まず、アルバム表紙が凄くシブい、いかにもイギリス紳士の中年である。そして、このアルバムからの大ヒット曲”Simply Irresistible” のMTVが、とてもイカス。濃い顔してクネクネと踊る女軍団をバックに、スーツスタイルで歌っているロバート・パーマーを観て、ただならぬ何かを感じたのだ。

幕の内弁当なのだ

このアルバムは、あらゆるジャンルが詰まった「幕の内弁当」的な内容だ。タイトルの『HEAVY NOVA』がすでに、ヘヴィメタルとボサノヴァを合わせた造語なのだが、これ以外にもファンク、レゲエ、ソウル、そして、ヨーデルまで入っている。この「幕の内弁当」的なアルバムだと、サザンオールスターズのアルバムを彷彿とさせる。サザンのアルバムも、基本的に多ジャンルの曲で構成されていることが多い。だが、一言でジャンルを括るなら、やはり「ポップス」であると思う。だから、何回聴いても飽きない。

このアルバムのリード曲は、大ヒットした1曲目の”Simply Irresistible” だろう。ヘヴィメタルをロバート・パーマーの色気たっぷりのヴォーカルで力強く歌い上げていて、とてもカッコいい。そして、イギリスではヒットしたらしい7曲目の”She Makes My Day”は間違いなく名曲だ。当時の洋楽かぶれしていた私は、「こんな曲、日本人には作れないよなぁ〜」と思っていた(今でも思ってる😅)。ヨーデル調の3曲目の”Change His Ways”もいい味出してるし、ラストの10曲目の”Tell Me I’m Not Dreaming”もダンス・チューンで女性ヴォーカルとデュエットしておりパワーがある。そんな中でも私には5曲目の”Early in the Morning”がいちばん刺さった。この曲はうねりがあり、その中でロバート・パーマーが怒鳴っているのだが、当時は「これこそロックだ❗️」と感動したのだ。うねりの中でひたむきに歌っていると思いきや、突然に怒鳴るのだが、ここに深くロック魂を感じる。ちょっと、ボブ・ディラン的であると言うと伝わりやすいだろうか。

先日、久しぶりにこの『HEAVY NOVA』を購入して間もない、SennheiserのHD650で聴いたのだが、やはり素晴らしいアルバムだと感じて、昔の自分を褒めたくなった😁。今聴いても別に古さを感じないし、改めて聴いてみると演奏も素晴らしい。ありとあらゆる民族音楽を拘りなく歌い上げるロバート・パーマーに、今でも痺れる。ロバート・パーマーが当時の雑誌かなんかのインタビューで「アメリカンTOP40に入っているような曲ばかり聴いてはダメだ、そうではなく、自分の好きなジャンルを見つけることだ」と言っていたのだが、まさにTOP40曲ばかり追いかけていた当時の私には、ピンとこなかった。だが、今はこの言葉の意味がわかるような気がする。好みのジャンルを深く聴くことこそが、本当は楽しい音楽体験なのかもしれない。特に、近年のアメリカンTOP40の惨状を見るとそう感じてしまう。

ロバート・パーマーは2003年に54歳の若さでこの世を去った。そう、今の私のほうが歳上なのだ。19歳だった私が、「オレも40歳になったらロバート・パーマーみたいなシブい中年に成るぞ❗️」と思っていたのを明確に覚えている。40歳を超えて50代後半に差し掛かろうとしている自分を顧みるに、はたしてシブい中年になっているだろうか🧐残念ながらロバート・パーマーの域には達していないと感じる。

ロバート・パーマーのことが本当に大好きなので、違うブログでさらに語ってみたい。

かしこ

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