人に施しをすると幸福になるのはなぜか

1. 解脱の教え

 皆さんは、人から施してもらうのは好きですか❓それとも、人に施すのが好きですか❓今回は、人に施しをすると幸福な気持ちになるというテーマで語りたいと思います。

 施しといってもさまざまで、それらはお金であったり物質的なものから精神的なものまであります。ではまず、施しを受ける側について考えてみましょう。例えば食事等をご馳走を受ける、「奢ってもらう」ことや、何か購入したものを受ける、「プレゼントをもらう」ことなどがあります。金銭的なこと以外では、何か悩んでいる時に「相談に乗ってもらう」ことや、自分では手に負えないことを「手伝ってもらう」などがあります。これら、「奢ってもらう」・「プレゼントをもらう」・「相談に乗ってもらう」・「手伝ってもらう」に共通していることは、すべて人から何らかを受け取る、『もらう』ということです。人から『もらう』とどうですか❓嬉しいですよね。私なんかは、誕生日プレゼントを家族からもらったり、あるいは友人と飲みに行って奢ってもらったりすると、単純に嬉しく感じます。ちょっと得した気分になり幸福感が生まれるはずです。

 では逆に、施しを渡す側ではどうでしょうか❓食事等をご馳走したり、プレゼントしたり、仕事等を手伝ったりした時、どのように感じますか❓なんか損したなぁとか、余計なことしたなぁとか後悔したりしますか❓絶対にそんなふうには思わないはずです。人からもらった時と同様に、こちらも嬉しい気持ちになるはずです。それは、人に喜んでもらえるから嬉しくて幸福な気持ちになるからだと思います。

 さて、どちらも同じ嬉しさや幸福感ではありますが、あなたはどちらの方がより幸福感を得られますか❓やはり、人から施された方が自分にとっては得だから幸福であると考えるでしょうか。いやいや、人に喜んでもらう方が幸福だと考えるでしょうか。

 どちらも幸福感を得られるという意味では同一かもしれませんが、性質が違います。人から『もらう』方では、自分の行動以外の力で得をした状態であり、そこには、何かを支払ったり努力をせずに、思いがけない利益を得たという嬉しさ・満足感が生まれます。

 人に『与えた』方では、自分の行動によって他者に得をもたらせた状態であり、そこには、何かを支払ったり努力したことによって、相手に利益を与えたという嬉しさ・満足感が生まれます。

 どちらの方が好ましい幸福感かとすると、やはり後者であると思います。簡単に言うと、自分が得して得られる幸福感よりも、相手が喜んでいる姿を見て得られる幸福感の方が気持ちがいいからです。しかもこの二種類の幸福感には次のような違いもあります。

 それは、人から施してもらったときの幸福感の持続時間よりも、人に施したときの幸福感の持続時間の方が長いという時間差です。私はよく仲間と飲みに行きますが、その時々によって、割り勘だったり、奢ったり、奢られたりするわけですが、奢られたときの「ラッキー!得した」という気持ちなどは、せいぜい2〜3時間で消えてしまいます。逆に奢ったときに相手に喜んでもらえた思いは、1日中継続します。このことから、同じ幸福感であっても、その性質の違いと共に持続時間も違うのです。当然にして、幸福感を長く感じられるほうが、より一層幸福感を深く味わえるわけです。

 以上のことから、人に施しをすることで、それは自分の幸福に繋がるといえます。こう書くと、結局は自分の幸福感や満足感の充実のために人に施すのかと捉える方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。相手に喜んでもらう、困っている相手に手助けするという純粋な『思いやり精神』が先立って行動するのであり、その行動には、利己的でゲスな打算などありません。もし、仮にそのような思惑で人に施したとしても、そんな気持ちでは、幸福感など得られませんし、相手からも恩着せがましいと思われるだけです。どんどん清い心で人に施していきましょう。

 解脱会の「与えて求めない太陽の心」を学べる私は、誠に幸福です。

かしこ

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